アニメ『四月は君の嘘』の魅力と面白さ。ショパン『バラード1番』のカタルシス。
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めちゃくちゃ感動する、泣ける作品として知られている「四月は君の嘘」。

この作品は喰わず嫌いしていて、最近の流行りな感じのアニメでしょ?なんて思って見てなかったんですよ。

クラシック音楽にじわじわとハマってきた時にちょっと見てみようかと思って軽い気持ちで見てみたら...凄まじかった。マジ泣きしてクラシックが大好きになりました。

アニメとしては最近のポップな感じで台詞回しがちょっとくすぐったくなるような部分もありますが、青春の瑞々しさがたまらないですし、でも物語がちょっと重くて切なくて...マジでこんな展開ずるい(泣)し、そこに彩りを加えてくれるクラシック音楽がホントに最高です。

僕はこの作品の影響でショパンの「バラード1番」が一番好きなクラシック音楽になりました。影響受けすぎな感じだけど(笑)、いやね、これは影響受けるでしょ!!

実際に曲を聴くことが出来るので音楽の感情へのアクセスが半端なくて、「のだめカンタービレ」と並んでこの作品もまたクラシックへの入り口としても最高な作品だと思います。

そんなアニメ「四月は君の嘘」の作品概要と魅力・面白さ、見てみた感想を書いてみましたのでよかったらご覧ください。

 「四月は君の嘘」のタイトルにある「嘘」は大事なキーワード。ネタバレ最前線なので結末を知りたくない方は先に漫画、アニメを見てください!
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「四月は君の嘘」とは?

 あらすじ

「14歳の春--僕は、君と走りはじめる」からっぽになった少年が一人の少女と出逢う。少女の、自由で情熱的な音楽の調べが、少年の止まっていた時間を突き動かす。11歳の冬--早熟の天才ピアニスト・有馬公生は母親を失ったショックから演奏をするとピアノの音が聴こえなくなるというトラウマを背負ってしまう。以来、少年は次第にピアノから遠ざかっていく。ピアノと母親を失った彼の日常はモノトーンのように色をなくしてしまっていた。そんなある日、公生を子供の頃から見てきた幼なじみ澤部椿は、あるクラスメイトを紹介する。クラスメイトの名前は宮園かをり。彼女はコンクールに出場するヴァイオリニストだった。楽譜を超え、自分なりのスタイルで課題曲を演奏するかをり。その奔放な演奏を見て、モノトーンだった公生の世界がカラフルに色づきはじめる。

 作品概要

新川直司(あらかわなおし)の漫画が原作。「月刊少年マガジン」で2011年から2015年まで連載されて、単行本は全11巻。2014年から2015年にはアニメ化、2015年に実写映画化。

アニメは全22話とOAD1話が制作されて、OADに関しては単行本11巻発売時に限定版に付属されました。Blu-ray&DVDの特典として単行本の「四月は君の嘘 Coda」、小説の「四月は君の嘘 6人のエチュード」なども制作されています。

アニメの演奏者として、有馬公生のピアノは阪田知樹さん、宮園かをりのヴァイオリンを篠原悠那さんがそれぞれ担当しています。

泣けるアニメとしてよく名前が挙がる作品で、個人的には京アニの「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」と双璧を成しています。

 

 マンガ

 Blu-ray

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アニメ「四月は君の嘘」の魅力・面白さと感想

ストーリーは「青春」と「重く辛い経験」の対比が鮮やか

まさに「青春真っ只中の中学生活!」という部分と宮園かをりの生き様や有馬公生の過去のトラウマ、母親に関する重く辛い経験の対比が作品のタッチと相まって、

心にぶっ刺さってくる

わけです。時にはモノトーンで、時にはカラフルでそのグラデーションが色鮮やかなんですよね。

まあ物語の成り行き上、暗い方に引っ張られてしまって「有馬公生辛すぎる...」と思ってしまう部分が多いにあるのですが。苦笑

めちゃくちゃ仲の良い親友がいて、幼馴染の子がいて、ちょっと恋愛関係に変化するかどうかの甘酸っぱい期間があって、まあ公生はうだつの上がらない日々を過ごしていたわけですが、そういう状況だけを見れば完全にリア充。

作画も瑞々しくて躍動感も凄い!セリフがちょっと詩的でくすぐったくなるような時もありますが(笑)、羨ましくもなる学生生活なんですよね。

そこら辺はめちゃくちゃ、

いいなぁ〜!!と嫉妬を覚えるくらいです。笑

だ け ど

かなり辛く重い話でもあるってところが切ない。切なすぎる。この重い話がストーリーにスパイスを加えているのは間違いないけど、お母さんと宮園かをりが亡くなってしまうのは正直可哀想すぎるかな、とも思うわけです。

これは見る人によって良し悪しが分かれるかもしれませんね。

青春!瑞々しさ!躍動感!からの重い(泣)というギャップは。

コメディっぽいシーンも度々出てきますが、最後の方はちょっと痛々しくて中和されてました。僕自身このアニメを見た時は次の日ぐらいまで引きずりましたからね。苦笑

これは宮園かをりの命を燃やした物語でしたね。

彼女は自分が長くないことを知って、様々なことにチャレンジしたけど、死が迫り来ることがなければ公生と出会おうとは思わなかったかもしれないし、自由で人を惹きつける演奏をしなかったかもしれないだろうし、手紙ではあるけど公生に昔からの思いを告白しなかったと思うんです。

さらに公生をピアノの世界に戻して、結果的に椿とのキューピッド役にもなってるし、、、なんていうかもう切ないよ!でも凄いよかをりちゃん!!

今生きてる僕らが常に死を意識して行動すれば...って訳ではないけど、こういう物語を見ると「命を響かせる」、「何か1歩踏み出す」という尊さを改めて教えられます。

可哀想すぎるとか言ってたクセにしっかり感動しちゃってるオレ氏。笑

辛い経験が音楽に反映される。

というはその限りではない事もありますが、この作品はまさに地でいっている物語で、切ないし、辛いけど、人を成長させてくれるんだなと。

それから幼馴染の椿、親友の渡がいい味出してましたね。特に椿は幼馴染で、昔から公生を知っているだけに、恋愛感情と友情の間で葛藤してそこに踏み込めず、音楽も分からないから踏み込めないという葛藤を抱えて、最後には公生に寄り添う事を決めたのはまた感動的で。(賛否両論あったけど許してあげてよと思う笑)

公生も椿は昔から大事な存在で、彼女がいなかったら今の公生はいなかっただろうし...。

色々な思いが絡み合ったところもまたこの作品の魅力ですね。

印象的な「愛の悲しみ」と「バラード1番」。物語が重い分、曲に思いが乗る

中々に重い話でもあるというか、「青春真っ只中」との対比で尚更それを感じるのですが、その分登場するここぞという時のクラシック曲に思いが乗ります。心に残ります。

色々なクラシック曲が出てきましたが、僕が特に印象に残ったのはクライスラー作曲・ラフマニノフ編曲「愛の悲しみ」、そしてショパン「バラード1番」です。

ホントにベタですがね。笑

いやね、この作品の中のストーリーと曲の良さが相まって、ほんっとに大好きな曲になりました。いつか、この2曲はピアノで挑戦してみたいと思っている程。

どちらのストーリーも泣いてしまったんですよね。

「愛の悲しみ」は、第13話「愛の悲しみ」でお母さんとの決別であり、宮園かをりが来れなくなった状況で、かをりの音楽スタイルを誇るために演奏したんですが、もうね、感動しました。

この曲自体は「悲しい」ってだけの曲調じゃなくて、どこか憂いは帯びてるけど、お洒落で華やか、大人な雰囲気もあって、そこがまた良かったんですよね。

「バラード1番」は、第22話「春風」で公生がコンクールでこの先ピアノで生きていきたいという思いと共に、かをりにも生きていて欲しい思いも込めて演奏していて、でも途中でかをりがこの世を去ってしまう事を知り、ありったけの「告白」と「レクイエム」と、そして「さよなら」を込めた曲になりました。

この曲を聞くたびに、

かをりちゃぁぁああーー〜ん!!

ってなりますね。印象に残りすぎて。(情緒不安定かっ苦笑)

音楽ってすげぇなって改めて思いましたよ。

クラシック音楽に興味が湧くのは勿論だけど....音楽は人生を彩ってくれる事が分かります。

音楽で出会い、繋がり、好きになり、音楽で挑戦して、音楽でレクイエムを奏でる。

この流れが切ないけど美しすぎるんだよなぁ。

同じクラシック音楽作品の「のだめカンタービレ」はコメディ色が強くて、プロフェッショナルの一歩手前からプロフェッショナルの入り口まで位の話だから、音楽に向き合ってるという要素が強い感じで、

音楽+笑い(楽しさ)

って印象。

でもこの作品はまだ仕事にするかどうかも分からなくて、どちらかというと「思春期の青春」がメインになってる気がするかなと。だから、

人生+音楽

という感じ。人生を音楽が彩っている感じ。辛い事がおきた時に、音楽が支えてくれたという感じかなと。分かりにくいな。笑

演奏している途中に「届け!!」というフレーズがありますけど、これはショパンの「誰か一人のために」という精神性を組んでいるようで良いなぁと思ってました。

「誰かのために奏でる」というのがより伝わってくる作品で、大切にしていきたい教訓になりました。

ここで「愛の悲しみ」と「バラード1番」のオススメの動画を貼っておきたいと思います。

●愛の悲しみ/クライスラー作曲/ラフマニノフ 編曲

●バラード1番/ショパン

クラシック音楽の入り口として楽しめる

あまりクラシックを知らない人でも、このアニメを通して興味を持てるようになるのではと思います。実際に自分がそのパターンでした。アニメでは実際に曲を聴くことが出来ますしより入り込めると思います。

「四月は君の嘘」は主にヴァイオリンとピアノ、ピアノ連弾、ピアノ・ソロが登場しますね。

「愛の悲しみ」と「バラード1番」は先ほど紹介しましたが、印象的な演奏はいくつもあります。

唯一の宮園かをりとの演奏であるサン=サーンス「ロンドカプリチオーソ」、ライバルの一人・井川絵美が弾いたショパンの「木枯らしのエチュード」、有馬公生と相座凪が連弾で弾いたチャイコフスキーの《眠れる森の美女》より「薔薇のアダージョ」、「ワルツ」など素晴らしい楽曲と演奏があります。

クラシック音楽を主に扱っているアニメとして「のだめカンタービレ」もありますが、他にも「ピアノの森」、「青のオーケストラ」などもあって、それぞれ扱っている年代や作曲家、楽器なども少しズレているので幅広く楽しめると思います。合わせて見るとクラシック音楽をより楽しく知れると思いますね。

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おわりに

アニメ「四月は君の嘘」について作品の概要や魅力、感想を書いてみました。

青春物語でありながら人生で直面する辛くて重い経験、それらを伴って奏でられるクラシック音楽がなんとも美しい作品。

個人的にはピアノで弾いてみたい曲がいくつかあり、また見返してモチベーションの火をしっかり灯していきたいなと思ってます。

 Blu-ray

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