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アニメ「銀河英雄伝説」で印象的なのが交響曲を中心としたクラシック音楽!

これは旧作の石黒監督版アニメの話になりますが、クラシック音楽が非常に印象的です。BGMが全部クラシックという徹底ぶり。

スペースオペラの世界に非常にマッチしていて、その物語をより格調高く、豪華絢爛、時にオシャレに彩ってくれています。

ほとんどが「交響曲」で構成されていて(時々ショパンのピアノ曲がオシャレに挟まっていたりしますが)、ある種の交響曲入門にもなり得るのではないか、というほど名曲も抑えられていますね。

色んな作曲家が起用されていますが、その中でも中核を成しているのが「グスタフ・マーラー」。

物語の初っ端から使われているというのもありますが、その音楽性が物語に非常に合っていて聞き応えも半端ない!

そんな「銀河英雄伝説」に使われているクラシック音楽の交響曲から名曲を何曲か抜粋して書いてみましたので、よかったらご覧ください!

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アニメ「銀河英雄伝説」で使用された印象的なクラシック音楽

交響曲第5番第4楽章「アダージェット」/マーラー

▲ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

「新たなる戦いの序曲」でやんがジェシカ達と別れて一人バーで酒を飲むシーン、第10話でジェシカと会話するシーン、第21話ジェシカの死を知らされた時に使われています。

1902年に完成させた全5楽章からなる5番目の交響曲。「暗→明」という伝統的な展開でメロディアスで比較的分かりやすく親しみやすいのが特徴的。マーラーの代表曲のひとつ。

この曲を作曲している時に妻となるアルマ・シントラーと出会って結婚した時期で、この第5番第4楽章はアルマのために書か愛の調べとのこと。

映画「ベニスに死す」でも有名な曲。

この銀河英雄伝説の中ではあまり派手な使い方はされていませんが、ジェシカとヤンが関わった時に使われていて、ジェシカをどこか思いつつも、二人がうまくいっている時ではなくて、あまり上手くいってない時に流れる「切ないラブソング」的に使われています。

交響曲第3番第1楽章/マーラー

▲レナード・バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

第1話のナレーションオープニングで流れている曲。

マーラーが1895年から1896年にかけて作曲した、全6楽章から構成されています。演奏時間が約100分と長大な作品で以前は「世界最長の交響曲」としてギネスブックに載っていました。

第4楽章、第5楽章に歌詞が用いられていますが、第4楽章にはニーチェの「ツァラストラはかく語りき」から引用していたり、「喜ばしき知識」を全体の標題としていることなど、ニーチェからの影響が色濃く反映されています。このような哲学や文学作品などの引用元もまたチェックすると面白いかも。

まさしく「銀河英雄伝説」の始まりを印象付けていて、さらにマーラーがこの作品の中核をなしている事を印象付けていますよね。

ボレロ/ラヴェル

▲アロンドラ・デ・ラ・パラ指揮/WDR交響楽団

映画「我が征くは星の大海」の後半、第4次ティアマト会戦の戦闘シーンで使われています。

ラヴェルが1928年に作曲した交響曲とはまた違う"バレエ曲"。同じリズムで、2種類の旋律が繰り返されていますが、徐々に加わっていく楽器と後半になるにつれて勢いを増すリズムが非常に色彩豊かな音楽を奏でます。

戦争を表現するにはあまりに流麗な曲ですが、格調高さと、色々なものが複雑に交わっていくようなものを想起させる。

交響曲第9番第4楽章「新世界より」/ドヴォルザーク

▲ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

アムリッツァの会戦で使われています。

ドヴォルザークが1893年に作曲した最後の交響曲。全4楽章から構成されています。あまりにも有名な作品だと思いますが、日本ではベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調『運命」、シューマン「交響曲第7番ロ短調『未完成』」と共に「3大交響曲」として呼ばれることもある。

「新世界より」という題名は、ドヴォルザークがアメリカに渡り、「新世界」アメリカから故郷ボヘミアへ向けたメッセージを込めている。

作中では戦闘BGMとして使われていますが、この選曲は燃えてきますよね。

交響曲第7番第4楽章/ベートーヴェン

▲カルロス・クライバー指揮/バイエルン国立歌劇場管弦楽団

ドーリア会戦で使われています。

ベートーヴェンが1811年から1812年にかけて作曲した曲。全4楽章から構成されています。非常にリズミカルで躍動感のある楽曲で人気も高く演奏される機会も多い。

やはりベートーヴェンの荘厳さはこの作品の世界観に合います。その他、交響曲第5番「運命」やピアノ協奏曲第5番「皇帝」などの人気曲もしっかりと使われています。

作中ではこの曲も戦闘BGMとして用いられていて、リズミカルな曲調という意味ではそのシーンに合っているとは言えますが、割と爽快感のある聴こえ方をするので「エヴァンゲリオン」の異化効果的に感じる部分もあるかもしれないですね。

交響曲第5番第4楽章「革命」/ショスタコーヴィチ

▲ウラディミール・アシュケナージ指揮/NHK交響楽団

回廊の戦いの前哨戦で使われています。

ショスタコーヴィチが1936年に完成させた曲。全4楽章で構成されています。

当時ソ連の独裁者・スターリンによって作品を批判され、その後ショスタコーヴィチ自身が反逆者にされてしまうという経緯がありました。そこで友人や親類が逮捕・処刑されていき、そのような厳しい情勢の中、名誉回復(この厳しい社会情勢への反骨精神とも)のために書いたとされている楽曲。

そういう意味ではこの「銀河英雄伝説」という作品と非常にマッチした背景を持っていると言っていい楽曲で、この背景を知っていると聴こえ方もひとしおかと思います。

交響曲第3番第4楽章/ブラームス

▲クラウディオ・アバド指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

シェーンコップが亡くなったヤンと対面するシーンで使われています。

1883年5月から10月にかけて作曲された。第2交響曲から6年後の1883年5月、ブラームスは温泉地として知られるヴィースバーデンに滞在し、第3交響曲をこの地で作曲した。

ブラームスの曲は暗めで内省的の曲が多いので、その意味でも悲壮感漂うシーンには非常にマッチしますね。交響曲第4番に関してはブラームス自身が「最高傑作」と呼んでいる作品なのでぜひぜひ聴いてみて下さい。

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アニメ「銀河英雄伝説」にクラシック音楽が使われたのはなぜ?

これについて理由としては、

アニメ制作の企業であった徳間ジャパンが東ドイツの「Schallplatten(シャルプラッテン)」というクラシックレーベルを買って、その音源を大量に保有していていました。それらをBGMで使えないか、「銀河英雄伝説」ではクラシック音楽でやりたい、ということに繋がったという背景があります。

作曲家ごとに選曲した回を作る遊び心もあったり(確かに作曲家が偏っている回が所々ある)、登場人物のテーマソング的に使われている曲があったりと、そういった所も意識して選曲していたみたいですね。

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おわりに

アニメ「銀河英雄伝説」で使われている交響曲をピックアップして書いてみました。

どの作品も素晴らしい名曲で、聞き応えのあるものばかり。

気に入った作曲家や、はたまた指揮者、オーケストラ毎の聴き比べも非常に多岐に渡ります。長大な作品を時間をかけて嗜んでいく楽しみもあるので是非とも色んな作品に触れてみてください!

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