この記事では、海外の世界的に有名なあの作曲家・ピアニストから、あまり知られていないけど素晴らしい音楽を作り上げてきたアーティストを紹介したいと思います。
日本人に関しては別に記事を書いていて、
それとはまた違った異国情緒溢れて、かつそれぞれが持つ様々なバックボーンから作られる音楽はホントに素晴らしいです。
「おすすめの海外のニューエイジ音楽ピアニスト10選」をまとめてみましたので、よろしかったらご覧ください!
Contents
- 1 【海外編】おすすめのニューエイジ音楽ピアニスト10選!世界的に有名な作曲家・ピアニスト
- 1.1 Yiruma(イルマ)
- 1.2 Ludvico Einaudi(ルドヴィコ・エイナウディ)
- 1.3 George Winston(ジョージ・ウィンストン)
- 1.4 Andre Gagnon(アンドレ・ギャニオン)
- 1.5 Alexis Ffrench(アレクシス・フレンチ)
- 1.6 Giovanni Allevi(ジョヴァンニ・アレヴィ)
- 1.7 Richard Clayderman(リチャード・クレイダーマン)
- 1.8 David Lanz(デヴィッド・ランツ)
- 1.9 Liz Story(リズ・ストーリー)
- 1.10 Jim Chappell(ジム・チャペル)
- 1.11 Brian Crain(ブライアン・クレイン)
- 2 おわりに
【海外編】おすすめのニューエイジ音楽ピアニスト10選!世界的に有名な作曲家・ピアニスト
Yiruma(イルマ)
韓国出身。1978年生まれ。
今や世界的に有名なピアニストで「River Flows In You」は名曲中の名曲です。
5歳の時にピアノを始め、11歳の時にイギリスのパーセルスクール音楽学校で学ぶ。2001年にアルバム「Love Scene」でデビューして、その後、有名な韓国ドラマの四季シリーズ(冬のソナタなど)で楽曲が使用されて一躍有名になりました。今や代表曲の「River Flows In You」が映画「Twilight(トワイライト)」関連で有名になって(本編には使われていませんが)そこからイルマ自体の知名度が世界的に上昇していきました。
10周年を記念したアルバム「The Best - Reminiscent 10th Anniversary」は発売されてから10年以上経った2020年に、アメリカのビルボードチャートを逆走して1位に輝いた名盤です。このアルバムはマジでオススメ。
作品自体はほぼピアノ・ソロのスタイルでゆったりと落ち着く曲が特徴的ですが、とにかくメロディーがたまらなく良いですよね。そしてそれを表現するイルマの技量、ニュアンスがホントに素晴らしくて、自分自身大好きなアーティストです。
Ludvico Einaudi(ルドヴィコ・エイナウディ)
イタリア出身。1955年生まれ。
祖父が大統領、父親が出版社の創始者など華麗なる一族出身で幼い頃から音楽に親しむのも何不自由なかったと思いますが、初めて買ったアルバムはビートルズの「リボルバー」で、その後ミラノ音楽院でクラシックを学びますが、そのような幼い時の音楽体験から独自の音楽路線に進みます。
ポストクラシカル的、ミニマルミュージック的なテイストがありますが、いづれにしてもオリジナルの素晴らしい楽曲を生み出しています。
派手なメロディーというよりは、ゆっくりと繰り返される音楽の中で徐々に移り変わっていくメロディーが印象的です。そういう意味でも背景音楽としても優秀でTikTokなどでも凄まじい人気があります。
「Nuvole Bianche」は世界的に有名な曲で、一応映画でも使われていますが、それを超えて認知されている大きなエネルギーの流れを感じる曲です。そして映画「最強のふたり」で使われた「Una Matina」。こちらは映画共に有名ですが、映画のラストの素晴らしいシーンで使われていることから、そのシーンと結びついて非常に感動する1曲です。
George Winston(ジョージ・ウィンストン)
アメリカ出身。1949年。
18歳頃にジャズに憧れてピアノ/オルガンを始める。その後ピアニストのファウツ・ウォーラーのピアノを聴いてピアニストとして活動。その後、ウィリアム・アッカーマンが作った有名なレーベル「ウィンダム・ヒル」に所属し、看板アーティストの一人になります。
名曲「あこがれ/愛」を始めとするヒーリング・ニューエイジの楽曲で有名ですが、その彼の作品の中でより有名なのが「春夏秋冬シリーズ」。それぞれの季節からのインスピレーションを反映した作品です。
ジャズに憧れてぱピアノを始めてブルースも好きということで、切ない・物憂げな表現が秀逸だと思っていて、そこにつながっているのかなと思っています。
タッチが独特というかアクセントをしっかり差し込んでくる感じで輪郭がハッキリとした演奏をする気がします。ピアノの技術だけを見れば他のクラシックを幼少から取り組んでいるアーティストからすれば劣るのかもしれませんが、彼独特のタッチ、良い意味で荒い(キャリアの前半は特に)とでも言えるでしょうか。それが味となって彼の作品になっていて、切なく美しいメロディーなのに決して甘くなりすぎないという印象。
個人的にはファーストアルバムの「バラッド・アンド・ブルース」なんかも味があって好きですね。
Andre Gagnon(アンドレ・ギャニオン)
カナダ出身。1936年生まれ。
4歳でピアノを始め、6歳で作曲、10歳でデビュー。モントリオールのコンセルヴァトワールで音楽の基礎を学び、その後パリでクラシックを学ぶ。その時にポピュラー音楽に出会って後に有名になる彼の音楽スタイルが生まれました。
1983年にリリースしたアルバム「インプレッションズ」がヒットしてこの作品がアンドレ・ギャニオンのスタイルを確立した作品になりました。このアルバムに名曲中の名曲「めぐり逢い」も収録されています。
日本のドラマに楽曲を提供したり、ツアーを行うなど日本ともゆかりのある人物。
「めぐり逢い」はちょっと久石譲さんの「アシタカとサン」に入りが似ているような感じで、個人的には久石さんのジブリのテイストと少し似ているのかなと思っています。優しくて包容力のあるメロディーが特徴的かなと。
Alexis Ffrench(アレクシス・フレンチ)
イギリス出身。1970年生まれ。
4歳からピアノを始めて、すぐさま作曲も始める。父親の影響でスティービー・ワンダーやボブ・マーリーなどを聞いていた。パーセル音楽院(イルマもこの音楽院出身)、ロンドン王立音楽アカデミーなどでクラシックを学びます。
しっかりとクラシックを学んできてバッハやベートーヴェンはもちろん、個人的にはR&Bやルーツミュージックが好きで、ケンドリック・ラマーやチャンス・ザラッパーなどのヒップホップも好んでいるとのこと。
「クラシックのオーディエンスが非常に偏っている。あらゆる世代と肌の色の人々がクラシックに親しめるような音楽を作りたい」
と枠に囚われない考えと感性を持ち、それを体現しています。インストが中心だけど日本でいうKing Gnuの常田大希や角野隼斗的な感性で非常に面白い音楽が聴けるようになるかもしれません。
日本デビューアルバムとなった「エヴォリューション」の「ブルーバード」は、映画「人魚の眠る家」でも使用され、彼がその映画の劇伴も務めました。
アルバム内で日本のギタリスト・沖仁とコラボしたり、「イマージュ」シリーズに登場したりと日本とも縁がある存在です。
基本的にはクラシックを基調としたピアノ曲が多いんですが、非常に暖かいメロディーと軽快なリズム(3拍子が好きなのかも?)で聞かせてくれます。
Giovanni Allevi(ジョヴァンニ・アレヴィ)
イタリア出身。1969年生まれ。
幼少の頃からピアノを弾き、モーツァルトやベートーヴェン、ショパン、ラフマニノフなどなどのクラシック音楽をよく聴いて育ち、母親はオペラ歌手。ミラノ音楽院を卒業し、そのご哲学科も卒業しているという少し異色な経歴も持つ。自作曲が好評を博して、イタリア国内でヒット。その後は世界中をコンサートで回っています。
アフロヘアーやTシャツ、ジーンズという格好がトレードマークで、本人曰くこれは勝負服とのこと。
日本にも非常にゆかりがあって、ツアーも回っています。特に鹿児島には「桜島」を見たインパクトが凄くて思い入れがあるみたいです。2021年には「薩摩大使」に任命されています。
2021年4月、ジョヴァンニ・アレヴィは薩摩大使を委嘱されました。
薩摩大使は鹿児島県のPRを目的に選ばれた著名人で、ヨーロッパ出身者ではジョヴァンニが初めて。 pic.twitter.com/AJcZ2Lm3fp— Giovanni Allevi KAGOSHIMA JAPAN (@GiovanniKag) July 15, 2021
ジョヴァンニ・アレヴィの楽曲はクラシックに影響を受けつつも独自の素朴さ雄大さ・力強さが上手く混ざり合ったような音楽で、中でも「Back to Life」は必聴の名曲です。
Richard Clayderman(リチャード・クレイダーマン)
フランス出身。1953年生まれ。本名は「フィリップ・ロベール・ルイ・パジェス」。
日本でも非常に有名なピアニストですよね。
幼少期よりピアノに親しみ。5歳で作曲を始める。その後パリの世界有数の教育機関・コンセルヴァトワールで学び首席で卒業。世に出た経緯は、「音楽が過激に走っていく時代にあえてシンプルで美しいメロディーの普遍性を訴える新しいキャラクターによるピアニストを探す」というコンセプトでプロデューサーのポール・ドゥ・センヌヴィルとオリヴィエ・トゥッサンが行なったオーディションに誘われたのがきっかけ。
代表曲の「渚のアデリーヌ」はデビューの段階ですでに決まっていた楽曲。
フランスでは当初あまりヒットせずに、ヨーロッパの周辺諸国で火が付いてフランスでも売れたという逆輸入でヒットしました。日本でも話題になってCMやドラマでも使用されていましたね。
やはり総じて日本の歌謡曲的な歌心があって、日本人には刺さるメロディーだよなぁと思います。これはフランスのシャンソンから来ているのだと思いますが、このシンプルなメロディーが日本人にマッチしましたよね。
David Lanz(デヴィッド・ランツ)
アメリカ出身。1950年生まれ。
母親の影響でピアノを弾くようになり、レイチャールズ、フランクシナトラ、ナットキングコールなどの曲を母親が弾いていたのが幼少の音楽的な体験。キャリアの初期にはロックやファンクなどを演奏し、その後はソロ活動でジャズやブルースに移りかわっていく。
その時に彼自身、「ヨガや瞑想、哲学に興味を持っていたこと」と「音楽が何かに役立てられないか?」という考えが結びついてニューエイジ・ミュージックというスタイルが加わっていきます。
1988年にリリースしたアルバム「クリストフォリの夢」がヒットして今では彼の代表作になっています。特にタイトル曲の「クリストフォリの夢」、そしてプロコル・ハルムのデビュー曲で代表曲「ア・ホワイター・シェイド・オブ・ペール」のカバーは素晴らしいです。
ちなみにプロコル・ハルムのこの曲の非常に素晴らしいライブ映像があるので貼っておきます。
その後、2000年にデッカレコードに移籍してリリースしたアルバム「イースト・オブ・ザ・ムーン」でグラミー賞にノミネート。それからも現在に至るまで数々の作品を作り出しています。
プロコル・ヘルムの名曲をカバーしたり、ビートルズをイメージしたアルバムを作るなど、自身がキャリア初期に身を置いていたジャンルのロック・ポップスにリスペクトを込めた「歌もの」テイストの楽曲もあり、ジャズやクラシック、他楽器とのアンサンブル作品も精力的にリリースするなどキャリアで培った様々なジャンルの経験を遺憾なく作品で発揮していて、音楽の幅が多岐に渡っています。
Liz Story(リズ・ストーリー)
アメリカ出身。1956年生まれ。
子供の頃はクラシック音楽を演奏し、ジュリアード音楽院、ハンター大学に進み、そのの時にレジェンド中のレジェンド、ピアニストのビル・エヴァンスの演奏を見たことがジャズを学ぶキッカケに。ジャズピアノはビル・エヴァンスの推薦で三フォード・ゴールドから学んでいます。
その後自らジョージ・ウィンストンでも有名なレーベル「ウィンダム・ヒル・レコード」のウィリアム・アッカーマンに作品を送って契約を結びました。
非常に爽快感のある爽やかなアップテンポの曲ではきらびやかな右手のフレーズ、しっとりとした曲でもどこか爽やかさのあるテイスト。その時代を投影するかのような哀愁あるメロディーとジャズ×ニューエイジが非常にマッチしている作品群がたまりません。
Jim Chappell(ジム・チャペル)
アメリカ出身。1955年生まれ。
自然豊かなミシガン州で生まれ育ち、6歳からピアノを始めています。影響を受けた音楽は映画音楽やショパン、ビートルズなどのポップミュージックが主ですが、後に商業的な音楽には入り込めず、ニューエイジやジャズなどの音楽を自分のスタイルとして取り組んでいきました。
それを見ると、後に作った作品群からも自分の育った大自然の環境が彼のルーツで志向していたものだったんだなぁと。
1985年に自身のレーベルからピアノ・ソロの1stアルバム「テンダーリチュアル」をリリース。同年に再びピアノソロで「Dusk」というアルバムをリリースして、そこに収録された「Gone」という曲は彼の代表曲になります。
1992年にリアルミュージックレーベルに移籍して、そこから4枚ジャズのアルバムをリリースします。
ニューエイジ音楽のテイストを生かした、フュージョンとも呼べるジャズを展開していてどの作品もかなり聴きやすいと思います。
このジャズの期間を経て本来のニューエイジのピアノ作品に戻っていきます。
心落ち着くリラクゼーション曲をたくさん作っている。「ナチュラルヒーリング」を音楽を通して実現しているアーティスト。
自然、心安らぐ、素朴で素敵な場面を切り取って、心安らぐ音楽に落とし込んでいる。
ゆったりとした曲がほとんど。
ビルボードチャートにもいくつもランクインしている。
Brian Crain(ブライアン・クレイン)
アメリカ出身。
物心ついた時から即興的に口笛を吹き作曲をしてきたというのが音楽的なバックボーンのブライアン・クレイン。
6歳の時にベビーグランドピアノを買ってもらうもピアノに惹かれることがなく、10歳の時にレッスンを受けるも飽きてしまい、野球に興味が向いてしまっていたためピアノは弾かなくなる。それでも口笛は吹き続けて、一旦は弾かなくなったもののピアノも時折弾いて即興演奏をしていたそう。そのようにして作曲も行っていて、野球でプロになる夢は途中で破れてしまった後は音楽に専念。
そこからは彼のメロディーセンスが光るピアノ作品をリリースして多くの人に支持されています。
ピアノ作品はもちろんですが、2006年にチェロ、2011年にヴァイオリンのデュオ作品をリリースしていて、かなり良い作品です。シンプルな編成でそれぞれの楽器の良さを引き出すような感じで無限に聴ける美しさです。
口笛がルーツという面白い背景を持っていますが、故にあのシンプルに美しくて切ないメロディーを生み出せるのかなと思ったりしてます。何かに捉われない自由なメロディーですよね。
おわりに
「おすすめの海外のニューエイジ音楽ピアニスト10選」を書いてみました。
ジャズやクラシックにも属さない、自分で曲を作り弾いているこの分野のアーティストはあまり目立つことがありませんが、非常に素晴らしい作品が溢れています。
世界的に有名なアーティストはどこかで楽曲を聴いたことがあるかもしれませんが、知らなかったアーティストをもし知っていただけたら嬉しいです。
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