スポンサーリンク

 

京都アニメーション作品で人気の高いアニメ「氷菓」では、数は少ないですが非常に印象的にクラシック音楽が使われています。

ストーリーは日常の様々な謎を追って解決していくミステリーですが、派手な展開がある訳ではなく、あくまで日常の域を出ないという中々に渋い作品です。

その中に登場する「古典部」という歴史を感じさせる存在もあり、ストーリーの雰囲気も合わせてクラシック音楽がBGMとして絶妙にマッチしてます。

そんなアニメ「氷菓」で登場するクラシック音楽についてまとめてみましたので、よろしければご覧ください。

スポンサーリンク

アニメ「氷菓」に登場するクラシック音楽一覧と使用された理由について

登場するクラシック音楽
  • G線上のアリア/J.S.バッハ
  • シシリエンヌ/G.フォーレ
  • 無伴奏チェロ組曲 プレリュード/J.S.バッハ
  • 月光第1楽章・第3楽章/ベートーヴェン

この4曲(月光の楽章違いを換算すると5曲)が使われています。

これは受け売りなんですが、「G線上のアリア」は千反田エルのテーマ、「シシリエンヌ」は折木奉太郎のテーマ、「無伴奏チェロ組曲 プレリュード」が古典部のテーマ的な感じで使われているという話。

妙に納得した結び付きだったので紹介しておきます。

使用された理由としては、原作者の米澤さんがこの作品のイメージとして出した曲がこれらのクラシック音楽だったらしいです。それらを音楽を担当している田中公平さんはじめスタッフの方が検討し、編曲して使用したとのこと。

なぜこれらの曲を原作者の米澤さんが選んだかまでは分からなくて、勝手な自分の想像ですが、どの曲も結構裏話というか曲のタイトルは作曲家自身が考えたものではないとか、とある劇の付随音楽として作られてその作品を想起させて、「氷菓」自身のミステリアスな雰囲気に結び付けられるのかな、なんて思ったりしてます。

「古典部」という日常を題材にしつつも歴史と絡めてくるところから歴史ある「クラシック音楽」が古典的な歴史のある文脈を紡ぐことができるし、語り継がれていってほしい、良いものにしたいという矜持を感じた気がします。

スポンサーリンク

アニメ「氷菓」のクラシック音楽が使用されたシーンと曲の概要

G線上のアリア/J.S.バッハ

作中では第1話で千反田に折木が古典部の入部届けを渡す所、第3話の冒頭、喫茶店で千反田が話し始める所で流れるなど、千反田が絡むシーンで流れていて、先ほど少し触れましたが千反田のテーマソング的な曲です。

「G線上のアリア」という名称は、バッハが作曲した「管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068」の第2曲「エール(Air)」をドイツのヴァイオリニストであるアウグスト・ウィルヘルミがピアノ伴奏付きのヴァイオリン独奏のために編曲したものの通称。

編曲してヴァイオリンの最低音の弦のG線のみで演奏できることからこの名称になっているらしいです。

原曲がニ長調、編曲版がハ長調で明るく華やかな曲調は千反田エルに合っていると言えますね。

この曲は「青のオーケストラ」や「新世紀 エヴァンゲリオン」の旧劇場版「Air /まごころを、君に THE END OF EVANGELION」で結構イカれたシーンで使用されていますw

シシリエンヌ/G.フォーレ

作中では第2話の喫茶店で折木が主導で話している時、第3話で折木が千反田から「氷菓」を受け取りその中身を読んでいるシーンで流れるなど、主に折木主体のシーンで流れていて、折木のテーマソング的な曲です。

元々はフォーレが1893年にオーケストラ作品で演劇のために書かれたけど使われず。それを1898年にチェロとピアノのために編曲、同年にオーケストラ曲としてモーリス・メーテルリンクの戯曲「ペレアスとメリザンド」の音楽として組み込まれました。最終形態は1909年にフルオーケストラのペレアスとメリザンド組曲として出版。

ピアノとチェロやピアノとフルートの組み合わせはよく演奏され、その他様々な組み合わせでも演奏されています。

「ペレアスとメリザンド」のあらすじは、

「王子ゴローは、森の中で素性の分からぬメリザンドという女性を見つけ妻にするが、年齢差もあり、メリザンドはゴローの年の離れた異父弟であるペレアスと親しくなる。ゴローは2人の仲を疑い、2人が狂おしいほどにキスをしているとき、ペレアスを刺し殺し、メリザンドにも傷を負わせてしまう。一命をとりとめたメリザンドだったが、ゴローとの間にできた娘を残し、亡くなる。」

という悲劇の愛を描いたもの。まあシシリエンヌからこの戯曲をがっつり想像するまでは至らないですが、この戯曲との繋がりが「氷菓」という作品の特性上、ほのかに香ってしまうのが面白い所か。

その他、この戯曲に影響を受けて音楽作品として残した作曲家もいて有名な所だとドビュッシーのオペラ、シェーンベルクの交響詩など。

哀愁漂う素朴な曲調でチェロとピアノ、フルオーケストラ版はト短調。短調ながらも美しい響きと評されています。「G線上のアリア」が長調で、意図してこれらの曲を割り当てたのかはわかりませんが、各キャラの性格も表している対比が面白いなと思います。

無伴奏チェロ組曲 第1番プレリュード/J.S.バッハ

作中では第1話の最後に福部と折木が音楽室の話をしながら帰っている時、第5話の冒頭で福部と折木が謎解きについて話している時など謎解きや古典部の活動にまつわる時に流れる、古典部のテーマソング的な曲です。

バッハのチェロ独奏用の組曲で第1番から第6番まである。作曲されたのは1717年〜1723年の時期で詳細な時期は明らかではない。何のために書かれたのかも諸説あり、長い間忘れられていたところをチェロの名手、パブロ・カルザスによって再発見され、今では世界的な名曲と知られるようになったという経緯があります。

この辺がまたこの「氷菓」という作品とマッチするというか、結構ミステリアスというかはっきりしな部分がそそる形になってますね。

この曲は「新世紀 エヴァンゲリオン」のTVアニメで主人公の碇シンジが弾いていた曲でもあります。

月光第1楽章・第3楽章/ベートーヴェン

作中では第1話の音楽室でのミステリ話の中で登場していて、劇伴的に使われている他の曲とは違ってこの話専用の楽曲になっています。

この形で使われていると、名探偵コナンの第11話「ピアノソナタ『月光』殺人事件」を思い出しますね。より一層ミステリ感が増します。

ベートヴェンのピアノ・ソナタの第14番の中の2楽章。この「月光」という名称はベートーヴェンの死後、音楽評論家・詩人であるルードヴィヒ・レルシュタープが「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と表現してそこから広まったもの。ベートヴェン自身が付けた題名は「幻想曲風ソナタ」。

非常に有名な作品でベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」、第23番「熱情」と並んで3大ピアノソナタと呼ばれたりもします。

色んなアニメでも使用されていて、「名探偵コナン」、「ピアノの森」、「四月は君の嘘」など他にもたくさん使用されている超名曲。

スポンサーリンク

おわりに

アニメ「氷菓」で使用されているクラシック音楽について書いてみました。

「月光」以外は作中で繰り返し使われていて、印象的でありながら作品にしっかりと溶け込んでその一部となっています。

この作品の特性と非常にマッチしていてクラシック音楽に興味を持つ人も増えると嬉しい限りです!

 DVD・Blu-ray

 関連記事

 

スポンサーリンク
ブログランキング・にほんブログ村へ