ちょっとエッセイ?的な感じで初めて海外に行った時に感じた、とある話を書いてみたいと思います。
それは「旅は観光地じゃない場所に醍醐味があるのかもしれない」ってこと。
30歳になった時にフィリピンのボラカイ島に語学留学。その後、香港と台湾に一人旅をしたんですが、主に香港と台湾で感じた話です。
観光地じゃない場所に行く手探り感にワクワクした
香港、台湾とそれぞれに見所のある観光地があります。
香港は「ビクトリア・ハーバー」、「ビクトリア・ピーク」、「香港ディズニーランド」など、台湾は「九份」、「夜市」、「台北101」などなどあって、もちろん行く前にある程度ピックアップして行く計画を立てる訳です。
実際に訪れてみて、凄い!綺麗!って思う場所もあるのですが、やはり昔から至る所からの2次情報の蓄積でハードルが知らず知らず上がっている訳で、まあ、こんなもんか...って思う場所もあったのが正直な感想。
そして有名な観光地はアクセスが確立されていて行きやすいのはもちろん、人がめちゃくちゃ多い。笑)それはそれでお祭り感があって良いのだけども。
有名な場所に行くという事は、それはそれで、あぁこの国に来たんだなという、そういう意味での達成感と、ハッキリとした目的としての「楔」感はあるかもしれません。が、「満足感」とはまた別の話かもしれません。人によるかもしれませんけども。
こんなに多くの人が簡単に行って見ることが出来る場所に行くためにここに来たのか?と、なんか自分の旅の価値を疑い始めちゃうという面倒臭い思考が発動しちゃってですね。笑
そんな中で僕は「映画のロケ地巡り」なるものを旅の中に組み込んでいたんですが、これがその面倒臭い思考を解消してくれたんです。
香港では「インファナル・アフェア」、台湾では「不能説的秘密(言えない秘密)」、「藍色大門(藍色夏恋)」のロケ地巡りを敢行しました。
調べが足りず全部が全部回れた訳じゃないんですが、これがね、めちゃめちゃ楽しかった。手探り感がたまらない!!
インファナル・アフェアのロケ地巡りで行ったゴンピンの「天壇大仏」なんかは、もしかしたらちょっと有名かもしれないけど、行く前までは知らなくて、こんな場所あるんだと発見もあって。
「超域音響」は「深水捗」って場所にあるんですが、ここが一昔前の香港の雑然とした感じがあって、あー、もっと入り込まないと分からないものんだなぁと思って街を歩いてました。「尖沙咀」あたりは現代風になりすぎてて東京みたいでしたから...。
台湾も面白くて、「言えない秘密」の中の「麟山鼻木桟道」という場所には「白沙湾」までバスで行くんですが、これがまた観光感ゼロ。地元民の行動パターンです。笑)ちゃんと辿り着けるかわからない不安とちょっとしたスリル。
そして「藍色夏恋」でロケ地の学校に入ったんですが、最初、正門で守衛さんに英語で「観光で来たんだけど入ってもいいですか?」って言ってみたんだけど、上手く伝わらなかったみたいでダメダメって感じになってしまって(苦笑)でも諦めきれなくて裏門の守衛さんに同じように伝えたら入れてくれたりとか。そんなんがたまらなく面白い訳です。
街中で、あれこの辺かな?いや違うな。なんて彷徨ったり、それで街の雰囲気を感じたり。
トラブルは避けたいですが、ちょっとした「冒険」とちょっとした「想定外」を求めてるんだなぁと。
日程が限られている旅なら、ある程度の目的と場所は決めていた方が時間のロスは少ないとは思いますが、その範囲内で少し外れてみるだけで思わぬ「満足感」を得られたわけです。
あれ、これ帰れるかな?とか、ボラカイ島でATMにクレジットカードを差し込んだら、死ぬほどスローで吸い込まれてちゃんとカード戻ってくるんかこれ?って思った時くらいスリリング。(ちょっと違うかw)
旅の「満足感」ってやつは人それぞれかもしれませんが。自分にとってはちょっと冒険することが自分にとっての「満足感」の正体で、それをハッキリと認識した旅になりました。
これが自分にとっての旅の醍醐味。
それこそ高野秀行さんや丸山ゴンザレスさんみたいな旅をしたいかと言ったらなんとも言えないんですが(笑)こうゆう冒険心はずっと持っていたいなと思いました。
思いがけない人の温かさ
特に台湾では、そんな風に目的地からちょっと外れた所でご飯食べたり飲み物買ったりと寄り道をしていたんです。
「九份」や「十分」でなどの有名観光地が並んでいる平渓線。瑞芳駅で乗り換えの電車が来るまで時間があったので、改札を出て駅の裏を散策。そこでフラッと食事処へ。
ホント何気無いご飯屋さんで昼ごはん頂きました。食べ終わってお会計が終わると、若い感じの店員さんでしたが
シェイシェイ!シェイシェイ!!
って前のめりで言ってくれて、自分が外国の人だと分かってそう言ってくれたのか、なんかこれがまた嬉しくて。
もう一人がとある飲み物屋の女性の店員さん。
「藍色夏恋」のロケ地巡りをしていて、この店周辺はあまり観光客が出歩くような場所ではなかったと思います。注文を英語でしてしばし待機。他のお客さんには普通通りにカウンター越しに注文を捌いていたんですが、自分の注文に関してはわざわざ外に出てきてくれて、
Enjoy Your Drink!
って言って笑顔で手渡してくれました。
これまた外国人が珍しかったのか、なんかすげぇ嬉しかったんですよね。自分の激しい思い込みだったらアレですが(笑)少しおもてなしてをしてもらったのかなと。
パッションフルーツのジュースでめちゃくちゃ美味しかったのですが、それ以上に店員さんの印象が強くて心に残ってます。
こうゆう経験をすると、もし自分の地元などに観光に来てくれた外国の人たちには心から楽しんでねと思えるようになったような気がします。
自分は何かの店員として接することは無いと思うけど、もし何かしら観光で来ている人たちに接することがあったら、「旅を楽しんでね!」と一言でも言えるような、そんな心を持っていたいなと思う経験でした。