ラフマニノフの楽曲の中でも少し物悲しくも美しいメロディーで人気の「ヴォカリーズ」。
自分も非常に大好きな楽曲です。
元々は歌詞のない歌曲ですが、様々な楽器にも編曲されています。
その中で有名なピアノ編曲版と番外編としてヴァイオリン&ピアノの編曲を紹介したいと思います。
Contents
ラフマニノフの歌曲「ヴォカリーズ」とは?
ラフマニノフの「ヴォカリーズ」は1915年に作曲・出版された歌詞のない歌曲で、「13の歌曲集」が完成した後に作曲されて「14の歌曲集」となっている。
そもそもの原曲はピアノ伴奏での歌曲で、ラフマニノフ自身は管弦楽のために編曲。ピアノやその他多種多様に様々な音楽家が編曲しています。
ラフマニノフの持ち味である美しい歌心のあるメロディーと、切ない哀愁ある曲調がたまらなく沁みる名曲です。おそらく世間的にも「ピアノ協奏曲第2番」と並んで有名な楽曲。
哀愁のあるピアノ編曲版4選+番外編
Alan Richardson(アラン・リチャードソン)編
スコットランド出身のピアニスト。
この編曲は一番バランスが良い感じになっていて、そこまで派手な技巧が組まれているわけでもなく、原曲の雰囲気をピアノの響きで美しく表現しています。
ピアニストの藤田真央さんはこの編曲が一番好きとのこと。
Kocsis Zoltan(コチシュ・ゾルターン)編
ハンガリー出身のピアニスト・指揮者・作曲家。
2016年まで存命していたかなり最近の人物で、今も世界的に有名なアンドラーシュ・シフとはハンガリー出身、同世代で有名な音楽家。
この編曲は途中で非常に技巧的で煌びやかな装飾が施されていて、そこを弾くのが一番の難所になると思います。
この煌びやかなフレーズを綺麗に弾けたらこの編曲はホントに映えますよね。この動画はユジャ・ワンが弾いていますが、非常に美しい演奏です。
Earl Wild(アール・ワイルド)編
アメリカ出身のピアニスト・作曲家。
トランスクリプションや編曲を好んで演奏していた中の1曲で、「ピアニスティック」と言えばいいのでしょうか、非常に趣向が凝らされているアレンジ。美しいですねぇ。
コチシュ版のような分かりやすい装飾があるという訳ではありませんが、全体を通して非常に厚みがあって技巧的なフレーズが組み込まれているという感じです。
Daniil Trifonov(ダニール・トリフォノフ)編
ロシア出身のピアニスト。
また新たな美しい編曲爆誕、という感じの素晴らしい編曲と演奏。調を変えて低音にフォーカスした新たな編曲かなと。
ダニール・トリフォノフのアルバムにはショートバージョンとロングバージョンが収録されています。
この編曲に関しては楽譜がまだ出てないと思いますので、ぜひお願いしたい所。
番外編 ヴァイオリン+ピアノのデュオ
ヴァイオリンとピアノ伴奏の編曲。
演奏は高木凛々子さん。
ヴァイオリンという楽器の特性上、歌曲に近い編成なのかなと。人が歌っているかのような感じもありつつ、ヴァイオリンの美しい線の音、深い響きがシンプルなピアノの伴奏に乗って素晴らしいですよね。
個人的に大好きな編成での演奏です。
おわりに
ラフマニノフの歌曲「ヴォカリーズ」とピアノ編曲に関して書いてみました。
そもそもこの曲が素晴らしいのはもちろん、どれもホントに美しい編曲でたまりません。
自分で弾いてみるとしたらリチャードソン編かなと思うのですが、技術があるならワイルド編も弾いてみたい。笑
関連記事