風景にも気骨がある
鹿児島県鹿児島市の吉野町にある「寺山公園(大崎鼻展望台)」は桜島の景色を一番綺麗に見れると言っても過言ではない場所です。
ですが、地元民でも「こんな場所あったんだ...」という人が多いのも事実だったりします。(自分もその一人だった。笑)
そんな穴場感とは裏腹に、ここは司馬遼太郎の「翔ぶが如く」でも触れられていて、西郷隆盛の精神を継いだ教育者・岩崎行親(いわさきゆきちか)が漢詩として残している場所でもある素晴らしい場所です。
実際に西郷隆盛は吉野の寺山に開墾社を設立して農業と勉学に励んでいました。
まさに由緒正しき穴場スポット!
実際に行ってみた感想を写真と共にお伝えできればと思います。
寺山公園(大崎鼻展望台)とは?
鹿児島市吉野町にある海抜400mの高台にある場所。桜島はもちろん、錦江湾を見下ろせて、遠くには開聞岳も望める大パノラマ。近くには西郷隆盛が開墾社を設立した石碑や寺山炭窯跡などもあるので合わせて巡るのもおすすめ。
アクセスとしては、展望台付近の道路は狭くなってるので運転には注意。
実際に行ってみた感想
鹿児島随一の桜島の絶景
展望台までは少しだけ遊歩道を歩きます。
緑に囲まれていて雰囲気があります。気持ちを盛り上げてくれる(または癒してくれる)舞台装置とでも言えるかもしれません。
展望台が見えてきました。
この開け具合が最高です。
この展望台を登って見る桜島は、
めちゃくちゃ絶景。
近くに吉野公園という桜島の絶景スポットがありますが、そこよりも高台から見下ろせて、より自然を感じながらの空気感がたまりません。
風が気持ちいい〜。
右には薩摩半島の沿岸部、そして小さいながらも開聞岳も見えるんですよね。
左は桜島周辺の大隅半島あたりを一望できます。
錦江湾の成り立ちが説明されているのですが、こうして改めて見ると、特に桜島が囲っている湾は湖のようにも見えますし、どこか神秘的な生態系を形成していそうですよね。
シンプルな展望台ですが、天気の良い日に訪れればかなり満足度は高い場所だと思います。
「翔ぶが如く」に登場する場所
司馬遼太郎さんの大河ドラマにもなった「翔ぶが如く」の「はじめに」の部分にこの場所が登場しています。
海は軽兆なほどにあかるく「泣こよか、ひっ飛べ」という上代以来の隼人どもの心を、この青が染めあげたかと思われるほどに陽気であった
一部抜粋ですが、この場所の感想を述べています。
どうやらここでの絶景が作品のインスピレーションにもなっているようで、薩摩の人たちの魂を桜島から感じたようですね。
この部分に魅了されてこの場所を訪れる人がいるほどです。
岩崎行親の漢詩「寺山之賦」
西郷隆盛の「敬天愛人」のスピリットを継いだ教育者の岩崎行親が実際にこの場所を訪れて、漢詩「寺山之賦」として残しています。
遊歩道の入り口にその漢詩の原文の石碑と読み下し文が建てられています。
おわりに
シンプルな場所ではありますが、間違いなく鹿児島随一の桜島の絶景スポットです。
しかも、訪れた人達を魅了するこれらの「強エピソード」を持っているので、もっと人が訪れる場所であってもいいのに...とも思いますが、この穴場スポット感がやはりいいのかなとも思ったり。笑
西郷隆盛も吉野に開墾社を構えたことから、この場所を気に入り、この桜島の眺望を見て日々を過ごしていたのだと思うと頼もしい気持ちにもなれます。
気になった方は是非訪れて欲しい場所です。
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