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泣けるアニメとしても名高い「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。

 

2020年に「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」でその幕を閉じましたが、この物語は今後も語り継がれていくであろう名作だとマジで思っています。

その中で音楽大好き、ピアノ大好きな自分にとってはたまらない、ピアノ・ソロ・アルバム「Though seasons change 〜Violet Evergarden Piano Memories〜」が発売されて喜んでいたところに、その楽譜まで発売されて発狂しました。笑

ここまでやってくれるのかと思って、しかもその内容の濃ゆい事。こだわりが詰まっている最高の仕事をこのような形で残してもらえるのは感謝しかありません。

そんな素敵すぎるヴァイオレット・エヴァーガーデンのピアノアルバムの感想とおすすめのポイントを書いてみました。

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アルバムと楽譜の概要

 アルバム

 楽譜

※電子版はAmazonなどでも扱ってますが、紙の楽譜は現在ハイブリット型総合書店「honto」でのみ入手できます。

書籍と電子書籍のハイブリッド書店【honto】

曲目

ディスク: 1

1.Theme of Violet Evergarden
2.A Doll’s Beginning
3.A Simple Mission
4.Another Sunny Day
5.Rust
6.The Ultimate Price
7.The Long Night
8.An Admirable Doll
9.Back in Business
10.Across the Violet Sky
11.Wherever You Are, Wherever You May Be
12.Torment
13.Fractured Heart
14.Always Watching Over You
15.Never Coming Back
16.Letters From Heaven
17.What It Means To Love
18.One Last Message
19.The Love That Binds Us
20.The Birth of a Legend
21.To The Ends of Our World
22.Violet’s Letter

ディスク: 2

1.Discovering the Past
2.The Legacy of Violet Evergarden
3.Violet and Isabella
4.A New Era Begins
5.Strangeling
6.Ink to Paper
7.A Place to Call Home
8.A Bond Between Sisters
9.Those Words You Spoke to Me
10.The Voice in My Heart
11.Yuris’ Confession
12.As the Days Pass Us By
13.For the Land That I Come From (Ctrigall Drinking Song)
14.Beyond These Waves
15.The Hardships of Gilbert Bougainvillea
16.Tears in the Rain
17.A Young Boy’s Last Wish
18.Live on for Me
19.Violet’s Final Letter
20.Echo Through Eternity
21.Her Spirit Lives On
22.Softly Sing to Me (Magnolia Family Lullaby)

CD2枚組で44曲収録されていて、楽譜も同様に44曲入っています。

Evan Callが作曲したTVアニメ、劇場版2作のサウンドトラックの中から選ばれていて、編曲は酒井麻由佳さん、ピアノはサウンドトラックでも演奏を担当していた佐藤浩一さん。

演奏の収録場所は、埼玉・所沢市民文化センターミューズのキューブホール。

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実際に聴いてみた感想とおすすめポイント

①:コレクション不可避のおしゃれなデザイン

いわゆる「ジャケ買い」しがちな自分としては、やはりジャケットは気になる所ですが、

マジおしゃれ

な仕上がりになっていて、もはや中身を確認せずとも買いです。笑

昔のヴァイオレットが、今の成長したヴァイオレットの奏でるピアノに耳を傾けているような、そんな素敵な構図の書き下ろしジャケットになっています。

ジャケットだけではなくて、CDのデザインもめちゃくちゃおしゃれでピアノの鍵盤が音の流れになって描かれています。

楽譜もCDのジャケットを基調としたデザインになっていて、これはもうセットで、ピアノを弾く弾かないに関わらずコレクションとして持っておきたい仕上がりになってると思います。

②:音の響きが大切にされている

初めて聞いた瞬間に感じたんですが、

音が広がる...!!という感覚。

あ、これはホールで録ってるなと思ったらまさにそうで、収録場所が埼玉の所沢市民文化センターミューズのキューブホール。

この企画にあたって、Evan Callのマネージャーで製作マンの池田さんがホールで録りましょうという案を出してくれて、探してきてくれたのがこのホールとのこと。しかもアークホールのピアノをキューブホールに移して使用したという裏話を斎藤滋さんがBlogに書いていらして、かなりこだわっているなと思いました。

収録場所からこだわりが見えて、さらにEvanさんと編曲者の酒井さんの対談では、

ホールのピアノだからこその、いいサウンドが作れたかなと思います。演奏を終えた佐藤さんから「ホールの響きの中で演奏されることを念頭に置いたアレンジだと感じた」とおっしゃっていただけたのがすごくうれしかったんですけど、佐藤さんもホールの響きをとても大切にしながら演奏してくださったと思います。

と語られていて、編曲も、実際のピアノプレイでも「響き」を存分に意識されているんだなと。

元々オーケストラが特徴的な劇伴ですから、そうゆう音の広がりももちろん意識しつつ、

個人的には大規模過ぎないサロン風なホールは、「どこかで聞いてくれてるあなたのために奏でます」というコンセプトもありそうな感じで、凄くいいバランスだなとも思いました。

そして作品も「心に"響く"」作品ですから、そのピアノの音が紡ぐ物語が心に響くように、という願いも込められてるような...と語り出したらキリがありませんが。笑

この少し遠くから聞こえるような音の響きがまろやかになって心地よく響くんですよね。これはもはや「リラクゼーションアルバム」の側面もあるではないかくらい心落ち着きますし、癒されるんですね。

ピアノならではの切なさ、癒し、そしてシンプルな1音の持つ力、素敵さを存分に堪能できるのではないかと思います。

③:収録曲の多さと編曲の素晴らしさ

収録曲44曲。

これって結構尋常じゃないような気がします。笑

44曲をピアノソロに編曲して、しっかり譜面としても残す。中々にハードなミッションですよね。

最初はCD1枚で収めるつもりがこの曲数になってしまったみたいで、これでGoするとは、、、いやはやスタッフさんもヴァイオレットエヴァーガーデン大好きだな。笑

こりゃもう労力とか効率とか商業的に、とか度外視だよなと。

ぶっちゃけると、ヴァイオレット・エヴァーガーデンはもちろん人気作品で語り継がれる名作だと思っていますが、サウンドトラック、しかもそこからのピアノアルバム、楽譜となっていくと割とマニアックな領域になってくると思うので、ものすごく多くの人達にリーチする訳ではないと思うんです。

それでもこの作品の音楽を愛している人のために、スタッフさん達自身も含めて何らかの形で残したっかたんだろうなと。

まさに「情熱」と「愛」

いやでもその思い、確かに届いてますよ。ピアノ作品マニアな自分にとっては感謝しかありません。

その収録されている曲の内容、編曲についてはかなり練られてますね。

編曲者の酒井さんだけのこだわりだけじゃなく、作曲者のEvanさんともしっかりコミュニケーションを取りながら進められた今回のアルバム。

Evanさんの出したい音にこだわりつつ、ピアノがしっかりと弾ける酒井さんが整合性を取って、ピアノとして弾けるもの、ピアニスティックに仕上げていったみたいですね。

そこの試行錯誤のこだわりの中で、「タイプライターの音」がサントラでも使われていますが、それをどうやって表現するか?

「The Birth of a Legend」(Disc-1の20曲目)は、原曲と同じように曲の最後にタイプライターの音を入れたんです。タイプライターの音が使われている曲はほかにもあったんですけど、それをピアノでやってみようと思って、ピアノの蓋をノックするという奏法を曲の終わりに入れてみました。

なるほど。と思いました。これはちょっと自分でもやってみたいと思いましたね。

その他にも、ちょっとマニアックな話になりますが、いくつかの弦楽器を同時に表現するために(どうしてもその音を残したかったんだと思う)ピアノの真ん中のソステヌートペダルを使用してるらしく、こりゃあかなりこだわって編曲してるなと。

先ほどリラクゼーションとも書きましたが、それに留まらず、音数も多くゴージャスな仕上がりになっているものもあって、弾くという意味でも弾き応えのあるチャレンジングで骨太な内容になってるなと感じました。

ちょっとずつ、自分でも弾いてみてこのピアノアルバムを感じていきたいですね。

好きな曲はいくつもありますが、あえて挙げるとしたら「Violet's Final Letter」「The Legacy of Violet Evergarden」の2曲。

「Violet's Final Letter」はギルベルトがヴァイオレットの手紙を読むところで流れて、凛と去っていこうとするヴァイオレット、葛藤するギルベルトからの「みちしるべ」に繋がる、めちゃくちゃいい所で流れてる曲。えぇ、あの泣きすぎて嗚咽が止まらないシーンです。

この曲は何と言ってもピアノが

ふつくしい!!(美しい)

気持ち悪いくらい噛み締めて弾いてみたい1曲です。(ちゃんと心を保って弾いてください)

「The Legacy of Violet Evergarden」は最後の物語の幕開けにふさわしい威風堂々を感じる1曲。けれども終わってしまう切なさ、ヴァイオレットの今までの足跡とそれに付随する愛の物語を拾いあげてその後のストーリーに誘ってくれる雰囲気も持ち合わせてますよね。

この曲はピアニストの森岡姿帆さんが今回のピアノアルバムのためのPVで演奏されていまして、最強なので是非見て欲しいです。

まあ44曲も入ってて痒い所にも手が届いているピアノアルバム、最高でしかない。

④:編曲者とピアニスト

作曲者のEvan Callさんは言わずもがなですが、今回の縁の下の力持ちとしての立役者のお二人を紹介してみたいなと思いまして。

編曲者・酒井麻由佳さん。


大阪の八尾市に生まれる。4歳よりピアノ、6歳よりを作曲をはじめる。幼い頃コンサートで聴いたとある外国人ピアニストがアレンジをした「もみじ」の演奏に感銘を受けて作曲の道を志す。
大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コース(作曲)を経て、東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業。

Evan Callさんとの繋がりは、「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のオーケストラ用の譜面を起こす仕事から。その仕事で信頼関係が出来て、ピアニストでもある酒井さんに依頼が来たとのこと。2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の音楽にEvan Callさんが抜擢されて、そこでもメインテーマのピアノソロ編曲も手掛けていて、素晴らしい信頼関係が築かれているんだなと思います。

最近では工藤静香さんのアルバム「青い炎」の中の数曲を編曲・ピアノを担当するなどしていて、今後の活躍も期待したい!!

ピアニスト・佐藤浩一さん。

 

バークリー音楽大学卒業。
ジャズ/即興/室内楽/ポストクラシカル/ポップス/映画音楽など幅広いフィールドで活動。
繊細なタッチで研ぎ澄まされた音色を放つピアニスト。
作曲家としても独自のメロディーセンス・ハーモニーセンスを持つ楽曲を多く発表、また編曲家としてもストリングスなどのオーケストレーションを探求。

佐藤さんはヴァイオレット・エヴァーガーデンのサウンドトラックでピアノを担当していました。そこの繋がりからピアノアルバムにも参加。バークリー音楽大学卒業ってのが興味深くて、Evanさんもバークリー卒なんですよね。また違った風の音楽を楽しめるんじゃないかとこれからを楽しみにしています。

最新アルバムの「Embryo」なんかはピアノソロも含むかなり面白い作品になってますので要チェック!!

⑤:ピアノ・コンサートが開催された

この項目はおすすめの話題として紹介させてください。

このピアノアルバムの発売を記念して催されたピアノコンサート。

「音楽熱想フェス」の内の一つのプログラムとして2日間、山梨の河口湖円形ホールで行われました。

昼のプログラムでは佐藤浩一さん、夜のプログラムでは森岡姿帆さんがそれぞれ演奏。

 

行けた人がただただ羨ましい。

 

ピアノはベーゼンドルファー。さぞ深みのある重厚な音を堪能出来たのだろうし、サウンドトラックだけではなく「WILL」や「Violet Snow」などのボーカル曲も披露されたそうで。

そりゃあ泣くよ、泣くって。生でピアノで聴けたら。

どうやら他の都市でもやれたらとかなんとかの発言があったみたいなので是非やってください!!

そこまで沢山の都市でやれなくてもオーケストラコンサートみたいに映像作品として残してもらえたらなんても思います。

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おわりに

ちょっとした感想も挟みつつおすすめのポイントを挙げてみました。

酒井さんもインタビューでおしゃっていましたが、オリジナルのサントラを聞いてまたピアノアルバムを聞いて、という楽しみ方がありますし、それでまた違う音楽の世界が見えてくる、聞こえてくるかもしれません。

やはりヴァイオレット・エヴァーガーデンの音楽は、そのアニメ作品のストーリーと共鳴して心を動かす力を帯びているなと改めて感じました。

いちファンとして、いちピアノを趣味でやっている者として、少しでもこのアルバムを手に取る人が増えてくれれば幸いです。

最後に余談ですが、「Sincerely」や「Violet Snow」などのヴォーカル曲もピアノアレンジアルバム作って欲しいな...なんて思ってるのは僕だけではないはず?笑

 

Evan Call × 酒井麻由佳の対談記事

斎藤滋Pのブログ(ピアノアルバムの裏話)

 

 アルバム

 楽譜

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書籍と電子書籍のハイブリッド書店【honto】

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