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おやっとさぁ!

ドスサントスです。

鹿児島の肥薩おれんじ鉄道を舞台にした映画「かぞくいろーRAILWAYS わたしたちの出発ー」を天文館シネマパラダイスで見てきました。

僕は鹿児島の人間ですが、この映画は鹿児島の中でも阿久根が舞台というまさに住んでいるところから近い場所なんです。

なので共感具合が半端なかったですね。

共感ポイントは以下の二つ。

●映画で主なロケ地となった阿久根市は車で数十分で行ける距離にあって、その海沿いは絶好のドライブコースで良く行く(おれんじ鉄道に乗れよ)

●身近で血の繋がっていない親子を知っている

綺麗な景色もさることながら、話の内容が血の繋がらない親子の物語で深く切なく、そして暖かいという感じで泣けました。

登場人物の関係性や過去だけを見るとかなり暗い設定かもしれませんが、コミカルな場面や登場人物の明るさも多々あって、笑いあり、涙ありの映画です。

パンフレットも買って家でじっくり読みましたし、映画を見終わった帰りにロケ地である「薩摩大川駅」周辺まで足を運ぶというハマりっぷりでした。笑

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映画「かぞくいろ」の概要

キャスト

有村架純/奥薗晶

國村隼/奥薗節夫

歸山竜成/奥薗駿也

青木崇高/奥薗修平

桜庭ななみ/佐々木ゆり

木下ほうか/相羽雅樹

筒井真理子/楠木幸江

板尾創路/水嶋徹

監督・脚本:吉田康弘

音楽・主題歌

【音楽:富貴晴美】

【主題歌:斉藤和義】

あらすじ

夫・修平を亡くしてシングルマザーになった奥薗晶と、亡き夫の連れ子である駿也は頼るところが修平の父・節夫の所しかなく、二人で鹿児島に向かう。節夫は修平の死の知らせも気づかずに仕事一筋で生活していた。そんな3人が一緒に暮らしていくことになり、晶は生活していくため、そして大切な子供のために運転士になることを決意する。運転士の仕事、新しい家族での生活、うまく進んでいくかと思われたが、そこにはやはり向き合わないといけない壁が出ててきてしまう...。血の繋がらない家族がどのような形で乗り越えていくのか。肥薩おれんじ鉄道を通じて育まれる切なくも暖かい家族の物語。

ネタバレ・感想

※ここからネタバレありますのでご注意ください。

全部語りたい所ですがネタバレしすぎるので、特に気になったシーンについて感想を述べたいと思います。

登場人物の過去

血が繋がっていない、有村架純がシングルマザーというだけではないんですよね。

それぞれが辛い過去を持っていて、その過去が様々に絡み合って、持ちつ持たれつで物語が進んでいます。

この過去を知った上で映画を見ていると、こんな過去もありながら葛藤しながらも明るく前に進もうとしている登場人物には胸がいっぱいになります。

これらの話は映画の中で、きっちり説明されていないものもあって、そこがまた深いなと思いました。

【奥薗晶】

駿也の母親ですが血が繋がっていない。夫・修平とは結婚1年で死別。過去に修平との子を妊娠しますが、流産。自身の両親が「まともではなかった」ため、親としての振る舞い方に戸惑いを感じている。

【奥薗駿也】

父・修平の再婚相手の晶と一緒に暮らしています。父・修平を亡くして、生みの母親は生まれてすぐに亡くなっています。

【奥薗修平】

物語は修平が亡くなった後の話ですが、度々、回想のシーンで登場します。彼は自分の母親(節夫の妻)を早くに亡くしていて、父・節夫も仕事の都合上、あまり家に居ないという幼少時代を過ごす。そして最初に結婚した妻が出産直後に亡くなります。その後、自身は再婚した晶と息子の駿也を残して亡くなる。

【奥薗節夫】

自身の妻を早くに亡くしてしまう。その後、ある出来事を境に息子の修平とは疎遠になってしまう。そして、知らないうちに息子が亡くなってしまう。

最初の跨線橋のシーン

一番最初は晶、修平、駿也の親子3人で池袋の跨線橋でのシーンから始まります。

仲睦まじいシーンですが、あらすじで夫の修平がなくなってしまうことは分かっていたので、この幸せはすぐ終わってしまうのか...と切ないシーンでもありましたし、修平役を演じた青木くんもすぐ出てこなくなるのかなぁなんて思って見ていました。

ところがどっこいでしたけどね。笑

このシーンについてパンフレットで青木くんが、

「跨線橋のシーンは、あの家族の出発点となるような、象徴的なシーンとしてふさわしい場所だったと思います。単線、複線、いろいろな方向に敷かれたレールは人生にも重ね合わせられる。」

と語っていて、あっ、それや。って思いました。

「北海道から鹿児島まで繋がっている」というセリフが映画内にあって、この鉄道のスケールの大きさを表すセリフ、跨線橋のシーンは様々な人生、家族の形、そしてこの家族が鉄道で繋がっているということを暗示していたのかなと思います。

晶の明るさ、行動力

そして跨線橋のシーンが終わって、晶と駿也が一度もあったことがない修平の父親(節夫)のところに行きます。

そこでいきなり修平の遺骨を節夫に見せて、借金で家賃が払えないからこの家(節夫の家)に置いて欲しいと頼む。その後少しして、おれんじ鉄道を見ていた駿也が「晶ちゃんでも運転できるんじゃない?」と晶に言って晶がすぐさま運転士の面接を受けに行くという怒涛の展開があります。

晶の行動力ヤベェ。笑

面接のシーンは面白くて、節夫は晶が面接に来ると知らなくて面接官をやっていたのですが吹き出してました。そして木下ほうかさんの相羽雅樹が絶妙にコミカルで笑わせてもらいましたね。

駿也が転校した学校の担任の先生に挨拶しに行った時も、いきなり先生に「年当てましょうか?」と気さくに話しかけるなど明るいんですよね。

最初に書いた彼女の過去も少しずつ明かされますが、その過去を感じさせない明るさと行動力が印象的な前半です。

上手く隠していますよね。

晶の面接のシーンはコミカルなシーンでしたが、志望動機を聞かれた時に、「子供が鉄道が好きで、乗せてあげたら喜ぶから」という事を晶が言っていました。

これって一番大切なテーマだったのかなと思っています。

血が繋がっていなくても「大切な人のために」という思いを持つというのがホントに大切なことかなと。

ここまでの序盤でかなり大事な事を何気なく入れているあたり面白いですね。

その後、晶が研修のために駿也の元を離れる時に駿也が「帰って来るよね?」と晶を大切に思っているシーンがあるなど、ここまでは夫と死別したという暗さもあまり感じさせず、晶と駿也の関係も良好で、晶って明るくて行動力すごいなぁという印象が強かったんです。

でも実際は、明るさとは裏腹にどこかぎこちなく、不安を感じていたんですね。

半成人式

ところが二人とも修平の死を受け止めきれていなかった。

後半では試練が続きましたね。

駿也は学校にあまり馴染めておらず、ちょっとした事でクラスメイトを傷つけてしまいます。

そこで親が呼ばれて、怪我をさせた相手の親から親の責任を問われたりと一悶着あります。

その後、駿也は学校の行事、半成人式で「両親への手紙」を書いて発表する事になりますが、このあたりの出来事で自分の本当の親、家族というものを否が応でも考えさせられます。

「両親が健在でそれが当たり前で普通」という空気感がある中で、やはりキツイものがありますよね。

この半成人式は非常に切ないシーンでした。ちょっと関係性がうまくいかなくなっていたこともありますが、この半成人式で駿也は晶のことを話さず、父親との思い出話しを泣きながら話しています。

普通は、「親への手紙」というイベントは感動的で心温まる場面に使われそうですが、ここでは非常に複雑で切ない場面で使われました。それがまた印象的でした。

その後、学校を出て神社の前で駿也は晶に「晶ちゃんがいなくなればよかったのに!」と言い放ちます。

これはホントに切ない。

でも、どこかで向き合わなければいけない葛藤なのかもしれません。

でもこのようなことを経て、本当に通じ合っていきます。

最後の跨線橋のシーン

仕事も上手くいっていなかった晶は東京に一時帰ってしまうのですが、そこに来たのが節夫でした。

跨線橋で二人は会うのですが、このシーンも素晴らしかったですね。

今までは家庭を顧みなかったのに、晶に感化されて「大切なこと」に気づいて鹿児島から東京までやって来る。

そして「好きにすればいい。もし帰ってこないのであれば駿也は俺が育てる。」と晶を責めることもなく、受け入れてくれるという、晶の状況が悪くなるのとは相反して、節夫は大切な人を守りたいと思うようになっていたんですね。

無表情で言葉も多くない節夫ですが、徐々に変わっていってたのが感動的でした。

夫・修平の回想シーン

これは秀逸だったと思います。

最初でもう修平は出てこなくなるのかな?と思ったのですが、ところがどっこいです。所々で修平の回想シーンが入ります。

良いお父さんだったんだなぁとしみじみ思うようなシーンばかりで、二人が修平を忘れられないのも頷けます。

修平と節夫が疎遠になった、修平の最初の妻が亡くなったシーンの所は切なかった。修平の存在感が非常に大きく感じる回想でした。

青木くん、お父さん役ハマりすぎてました。笑

ちなみに、晶と修平が出会った時のエピソードは、新手のナンパやね。自然とやったことかもしれないけど、鮮やかだったな。笑

まとめ

まあ、普通に泣きましたね。明るく振舞っていても、色々背負っているわけです。そして、様々な葛藤や悩みを乗り越えていく。

家族の形は色々あっていいい。両親がしっかりいる家庭、血の繋がりはなくともしっかりと向き合っている家庭に上も下もない。人それぞれの人生がある。

晶は自身が色々背負っているにも関わらず、それを優しさに変えて周りの人に接することができる人でした。

「大切な人のために」というのが大きな力を生んでくれる。

そんな風に自分もなりたいと思わせてくれた、そんな映画でした。

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