マンガ「BLUE GIANT(ブルージャイアント)」を読んでない人は、もったいないぞ!!って思うくらいに読んでほしいマンガです。
「音が聞こえるマンガ」とのキャッチフレーズが有名な主人公がサックスプレイヤーのジャズマンガ。
僕は最初、「なんか音楽のマンガやってるなぁ」くらいでスルーしていたんですよ。(知らなかった期間がもったいなさすぎて...orz)
でも色んな人が「このマンガは感動する」と言っているもんだから、少し読んでみようかと思って2、3巻買ってみたらどハマりしました。
そこからすぐに大人買いです。笑
あ〜音楽っていいな。って心から思うと同時に、猛烈に胸が熱くなる。そんなマンガです。
少し立ち止まっている人には奮い立たせる何かをもたらしてくれると思います。
Contents
BLUE GIANT(ブルージャイアント)とは?
作者は石塚真一さんで、小学館の「ビッグコミック」で2013年から連載中のジャズマンガ。単行本は2023年現在、合計で28巻まで刊行されています。
正確には、
- BLUE GIANT(日本編)10巻
- BLUE GIANT SUPREME(ヨーロッパ編)10巻
- BLUE GIANT EXPLORER(アメリカ編)8巻(連載中)
となっています。
石塚さんは「岳 みんなの山」の作者でもあって、このブルージャイアントも含めどちらも自分の過去の経験したジャンルを描いている事になります。
音楽に関しては中学生時代にブラスバンド部、ブルース・バンドでギターを弾いていた事もあって、ジャズと出会ったのは20歳の頃とのこと。
2023年2月に待望のアニメ映画が公開されました。ストーリーは初期のブルージャイアントの4巻以降の東京に上京してからの話。上原ひろみさん始め凄まじいアーティストが携わったこの作品は是非見てほしい!!(前のめり)
BLUE GIANT(ブルージャイアント)の魅力
「世界一のジャズプレイヤーになる」という夢の力と熱さ
主人公の宮本大は「世界一のジャズプレイヤーになる」のが夢です。
このストーリーがもうね、胸を熱くするんですよ!!
夢の力に引き寄せられて、とにかく練習練習、どんな所でも勝負して、時には上手くいかなくて...、そうやって大は凄いスピードで成長して突き進んでいきます。
ここが結構泥臭いんですが、それが物凄くカッコいい。
その圧倒的な熱さと勢いに周りも感化されて、読者も自分の中の何かが奮い立つ感覚になります。
やってやるよ
という気持ちがどこからもなく湧いてくるんですよね。
必ずしも夢とか目標は持つ必要はないのかもしれないけど、もし自分が何かしてみたいと思うのなら、宮本大ほどの大きな夢ではないにしろ、何かを掲げてそこに向かっていくという事はその過程の試行錯誤や経験が物凄く成長させてくれるし、やはり夢や目標の持つ引っ張る力は大きいなと、改めて感じます。
ここから感じる宮本大の夢はどうゆう事なのかというと、
自分の中にある好きなものに対しての「感動」をみんなに伝えたいし、自分もそれを感じ続けていたいのだと思います。
この感覚は自分の人生に関わってくる音楽を聴くときの感覚に似ているかもしれません。あの時のストーリーを想起させる高揚感、幸福感。
これは誰が何と言おうと侵すことのできない絶対的な感覚で、大はそれをジャズで感じて、世界一のプレイヤーになることでそれをみんなに届けたい。届けられると信じて突き進んでいるんじゃないかなと。決して押し付けとかではなく。
「感動」をみんなに届けたいと思っているし、それが本当に素晴らしいものだと信じているから。
だから自分の好きなものはしっかり信じていい。そう思わせてくれます。
そして人間やっぱりどこかで才能がないとか出来る?出来ない?を気にして言い訳してやらないことが大半だけど、行動した者にしか開かれない道があるよなと。
人の「思い」が音楽に乗ってくる
宮本大の「夢」という指標はありますが、やはり周りの人たちとの関わり・その思いが胸を打ちます。
大の「思い」が周りを動かす。そして周りの人の「思い」が大を動かす。自分だけの夢ではなくなる。宮本大一人では得られないモチベーション、力、ストーリーです。
そこが音楽と絡まって織り成すストーリーが派手ではないんだけど、かなり心に沁みるんですわ。
「行動した者にしか開かれない道がある」という話とも繋がりますが、同士、応援してくれる人が出てくるんですね。
僕自身が一番感動するのはこれです。
こうゆう人生と関わりがある、誰かの思いがあるってのがやはり自分は大好きで、だからこそ人に音楽は刺さるんじゃないかなと思ってます。
説明しすぎてない描写が実際には音楽の鳴っていないマンガから読んでいる人それぞれの音楽が鳴っているのではないかと思うんです。
マンガというストーリーが付いている意味を存分に発揮してますよね。
正直、音楽を聴いただけではそのプレイヤーがどういう人なのか、ちゃんと見抜けるわけではありません。
最近思うのは音楽に罪はない。それを作った人、演奏する人は別。とは思ったりもしますが、やはり人としてどうなのか?みたいなことを知ってしまうと少し遠ざかってしまうのも事実で。やはり真摯に向き合っている人、人柄の良さを知ると有名、有名じゃないに関わらず好きになるのはあると思う。
そういう背景を大事にしたい自分にとっては登場する「良い奴ら」には頑張ってほしい!!と思うわけで(マンガだけどめちゃくちゃ応援しちゃう)、そういう人たちのひたむきな思いを持った音楽はより澄んで心に染み込んでくると思うんですよね。
ちょっと話がそれちゃいましたが、笑
夢を諦めてしまった人、くすぶっている人、ちょっと嫌な人などなどいるのが人生でそれらで音楽の聞こえ方も変わってくるし、素晴らしいスパイスにもなっていると思います。
人一倍、人の気持ちをすくい上げる大。それに感化された人たちもまたしかり。
大の兄がサックスを買ってくれて応援してくれる姿や、師匠の由井さんの過去のジャズで上り詰められなかった日々。ジャズバーの由紀子さんのジャズに対する思いや普段の生活の様子、玉田と雪祈との日々など...泣けます。
それらを背負ってと言いますか、もちろん明るく前向きに演奏しているんですけど、それらが深みとなって聞こえてくるのがホントに感動します。
ストーリーのテンポが良い
いわゆるクドくないんです。もう次に進んじゃうの?という後ろ髪を引きたくなるようなテンポで進んでいきます。
マンガ「ブリーチ」の、特に藍染との戦いの所みたいにあーやられた蘇ったやられた蘇った...みたいなクドさとは正反対です。笑
あっさり進んでいるようで、かなり印象が残りますし、セリフがそんなに多くなくて、説明的すぎないし(そこがまたいい)絵で語りかけてくるシーンが多いように思います。
なのですごく読みやすいのではと思います。
現実を上手く描いている
まあそもそもドキュメンタリー的なマンガですからそうなんですが、
いわゆる「お金」と「才能」です。
こうゆう「夢」を追っている話で「お金」の話はちょっと...ってなりそうですが、うまく描かれているのかなと。
大が持っているサックスは大の兄が買ったものですが、店にある一番良いサックスをローンを組んで買っていて、その支払いが終わるシーンまで描かれています。
バンドを組んでから初めてもらったギャラの使い道についても描かれています。
こういう話がやっぱりリアルだと思いますし、ありがたみも良く分かるってものかもしれません。
「才能」という言葉は正直すぐに持ち出す言葉ではないと思っているのですが、やはりその道のトップ、一流、超一流となってくればその言葉も出て来ざるを得ないでしょう。
「夢」と言えばキラキラしたもので素晴らしいものでもある反面、諦めていった人たちも大勢いるという残酷な一面もあるわけです。
主人公の宮本大は光るものを持っています。荒削りだけど、その一端を見せつけられて(大はいたって真面目で全力)鳴かず飛ばずだけど夢を諦めきれないでいた人をぶっちぎっていくという描写が淡々と描かれていたりします。
音楽が好き、演奏するという事に関して才能なんて全く関係ないと思ってますが、プロでしかもトップを目指すとなれば別世界。
「お金」と「才能」、マンガではドロドロはしてませんが、これらはリアルでしょう。
ジャズを知らなくても全然楽しめる
ジャズがなんたるか?と考えるマンガではありません。感じるのです。(ブルース・リーみたいやな笑)
ストーリーに入り込んでいければ自然と雰囲気で楽しめると思います。
ジャズの有名プレイヤーの名前や曲の名前が出てきますが、知らなくても全然大丈夫です。
ストーリーが素晴らしいですから、これってどんな曲だろう?と自然と興味をそそられるかもしれません。
マンガ内に登場するジャズのコンピレーションアルバムも発売されていますし、漫画の中にも登場するジャズクラブ(元ネタが現実にある)に行ってみるのもいいと思います。
アルバム
おわりに
あまりネタバレしない範囲でブルージャイアントの魅力と感想を書いてみました。
このマンガの影響もあってか、今ではすっかりジャズにハマっています。
僕自身はピアノを趣味でやっていて、いつかアドリブをがっつり披露できるくらいにはなりたいと思っていますが(感化されすぎか笑)、あなたも一つ、楽器をやってみるのはどうですか?