反田恭平と小曽根真がラジオで出会う。ピアノ・ジャムで実現した夢のトークを振り返る。
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反田恭平と小曽根真がラジオで初対面。

二人のファンという事で、こんなに美味しい回は無い。

大まかな振り返りをしつつ、気になった所をピックアップして、話題に出てきた気になったキーワードを勝手に補足しながら、お品書きに沿って振り返っていこうと思います。

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小曽根さんのジャズを始めたキッカケ〜デビューの裏話

始めは、小曽根さんがジャズを始めたキッカケからデビューに至る裏話から始まりました。

ここの話の最初の方で「ニューヨークフィルと共演」という話が出てきて、小曽根さんは「宝くじが当たった」と言っていましたが、それに対して反田君が「羨ましい...」と言ったら、小曽根さんはいつだってこれから...と笑ってました。

反田君が羨ましいと言うくらいだから、ニューヨークフィルは凄いオーケストラみたいですね。

ニューヨークで唯一、常設されたコンサートオーケストラである。より人口の少ないロンドン、ベルリン、パリなどは5~7団体を擁しており、クラシック音楽においては後発の東京に比べても少ないが、1団体集約の傾向は米国の他の大都市にも見られる。2010年までに通算15,000回以上の公演を行い、現在は年間に約180回のコンサートを行なっている。1917年の初録音から現在までに2000作品以上が録音されている

その長い歴史の中で必ずしも常に最高の演奏水準を保ってきたわけではないが、伝統的に特に管楽器に名手を多く擁し、幅広いレパートリーに対応できる柔軟性を誇っている。

小曽根さんは日本人で初のソリストとして選ばれて、CDとしても作品が残っています。

内容としては、アラン・ギルバート指揮で曲目はガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」とバーンスタインの「不安の時代。

小曽根さんの「ラプソディ・イン・ブルー」は有名ですし、絶品ですね。

どちらの作品も反田君もピアノ、指揮それぞれでいつかやって欲しいなぁ。

そんな話もありつつ、話はデビューの裏話に。

小曽根さんは昔からオスカーピーターソンを敬愛していて、いざデビューするとなった時に、どんな曲を弾いてもオスカーピーターソンになってしまうから、半年間、ジャズを弾く、聴くのを辞めてクラシックを聴いて勉強していた、という裏話。

この期間に聴いていたのが、友人から勧められた「プロコフィエフ」。

「OZONE60」にもプロコフィエフのソナタ第7番が入ってますが、なるほど、プロコフィエフの影響はこの頃からか、と思いました。

ここでデビューアルバムの「OZONE」からクラシックの影響を受けたという「Endless Season Part2」が流れます。

ゲイリーバートンのビブラフォンとのクラシカルなハーモニー、響きが美しい一曲。

ドラムが入ってないのですが、ドラムが入るとやはりオスカーピーターソンが出てきてしまうから(笑)ということみたいです。

反田君はかなり気に入っていた様子。

そこからピアノ・ソロの話に。

やはりソロは全てが出てしまうため、話があっても先送りにしていたらしいです。

ここで小曽根さんのソロアルバム「BREAK OUT」から「Wild Goose Chase」が流れます。

この曲、自分も大好きなんですが、これ途中はアドリブなんですね、やっぱり。

反田君が「これアドリブではないですよね...」と聴くと小曽根さんは「アドリブです」と。

スゲェー!!

って言ってました。いや、これはマジで凄すぎる。このテンポであれだけの曲としての完成度を保ちつつってのはヤバすぎ。

曲の途中で小曽根さんのボイパが入って、ドラムが聞こえてこないといけないという事やリズムの話で大阪弁とかそんな感じで、そそりたい、その気にさせたいとリズムの使い分け、リズムのヨレなんかも言及していました。

こりゃあマニアックだけど超面白い。あと5時間くらいこのラジオ続いてくれって思いましたもんね。笑

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小曽根真のピアノ・レッスン(ジャズアレンジ講座)

小曽根真のピアノレッスンという小曽根さんのちょっと怪しい雰囲気のタイトルコールから始まったこのコーナー。

小曽根さんがどのようにクラシックをアレンジしているかというのを知れるコーナーです。


まずはこのツイートを紹介していました。これがこのアレンジの話に繋がってきます。

1曲目はマズルカの第13番。小曽根さんもCDにもアレンジを残しています。

まずは、ハーモニーを先に聞くと。縦に音を聴く癖があるという事。

それでそこからどのように展開していくか決めるみたいですね。

ハーモニーで聞く。これはそのハーモニーからそのストーリーを読み取って、そのポテンシャルから外伝的に物語を紡いでいくような感じ。

やはり、違った物語にしないように、ここはあまり変えられないな、と言いながら実際にアレンジして即興で弾いてるのがリアルでした。

2曲目がより分かりやすくて、これもまた小曽根さんのショパンのアルバムに入っているマズルカ第24番をディキーシーランドに。

これが自分がどう聞こえてるか、どこの部分を聞いているのかということが凄く分かりやすくて面白かったです。

自分の中にディキシーランドのようなフォーマットをどれだけ持っているかどうか。

反田君はどれだけ引き出しを持っているかが勝負と言っていたけれど、まさにそれが大事とのこと。

よく「引き出しがある」とか「色んな音楽を聴いた方がいい」といいう事を言われるけど、それが少しわかった気がする。

パクリと言ったら言い方が悪いけど、フレーズとかそんなんじゃなくて、大きな枠組みとしてボキャブラリーを頂いて、それを出していく感じかなと。

フォーマットを持っておく。自分がどう聞こえてるのか。をそのフォーマットに当てはめていく。そのフォーマットが多いほどバリエーションを作れる。

いや〜勉強になる。定期的にこの二人でラジオをして欲しい。笑

小曽根さんのショパンアレンジでおすすめしたいのが「ワルツ第7番」。これはラテンアレンジで、おそらく小曽根さんはこのワルツはゴリゴリのラテン音楽に聞こえたんだと思う。

めちゃくちゃかっこいいので知らない方は是非聴いて欲しい一曲です。

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小曽根さんのかっこいいと思うコード

反田君が聞いてみたい事だったみたいで、小曽根さんのかっこいいと思うコードは、

ハ長調では左でG、F、右でB、E♭、F、B♭

メジャー7というよりも、7thのドミナントのコードが好き。オルタードコード。

これはかなりスモーキーでお酒の香りがする、ちょっと大人で刺激的なハーモニーになってます。

これを反田君も弾いて、小曽根さんもテンション上がってましたが。笑

「初めてウイスキーの匂いを嗅いだ感じ」

という言い当て妙な感想を述べていたのが印象的でした。

これを他の調で、と言って、そのまま移調すればいいよ、ということだったんですが、反田君は、

移調がマジで苦手

らしい。不得意なこともあるんだと。

小曽根さんは簡単に移調できるように、国立音大で教える時に、どの調でも押さえられるように一つのコードを全部の調ですぐ押さえる泥臭い反復練習を教えてるみたいです。

もちろん小曽根さんもやってきた練習だと思いますが、これまた意外というか、やはりあれだけの瞬発力の裏には血なまぐさい努力があるということですね。

これはちょっと深くコードの勉強をしたくなってきました。

お便りコーナー

二人のファンからということで、元々小曽根さんのファンで、そこからクラシックを聴くようになり、反田君のファンになったとのこと。

小曽根さんがクラシックにのめり込んだ話として、モーツァルトのコンチェルト第9番(ジュノム)を挙げていて、

たった8小節の展開部で涙が出たらしく、「火星と金星を回って帰ってくるくらいの衝撃」を受けたみたいです。

思ってるのとは違う世界が広がっていたと。

「やられた」と思って、300年前にそれをやっていたと思うと、クラシックという垣根がパサっと無くなったと話していました。

即興で反田恭平に曲をプレゼント

挨拶条としてはこれがいいと思った、と最後にそのように言っていました。

何かの曲を弾くというより、即興で曲をプレゼント。

最初は綺麗なクラシカルな響きで、途中からエッジの効いたリズミカルな曲調になって、最後はまた静かに穏やかに締めくくられました。

ファの音が多かったらしく、反田君はヘ長調とか好きで聴いててホッとしたらしく、それでいて、後ろから見ていてかなり即興感を感じて楽しかったみたいです。

最初はリズミカルに弾くつもりはなかったみたいで、でも何かそうするように掻き立てるものが出てきたのか、テレパシー的に感情が伝わったのか、そんな演奏になったとのこと。

ショパンコンクールで真剣音楽に向き合っていた印象と優しい気持ちになれてる今の気持ちを込めてということで、素晴らしい締めくくりになりました。

いつか反田恭平指揮でガーシュインのラプソディ・イン・ブルーを二人の共演で演奏してくれるのを願ってます。

 

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