『呪術廻戦』の魅力。個人的には『十二国記』と『エヴァンゲリオン』のオマージュがお気に入り。
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鬼滅の刃が空前絶後の人気となって、流石にすぐにこんなに盛り上がる漫画、アニメは現れないだろうと思っていた所に「呪術廻戦」が踊り出てきました。

「ネクスト鬼滅」とも呼ばれていますが、「人気になるプロセスが似ている」というのが一番かと思います。ストーリー的には、鬼と呪霊なんかは似ていますが、その他の要素は結構違う感じかなと。

流行りに乗るのはなんだかなぁと思う人もいるかもしれませんが、僕はある種の「お祭り」だと思って楽しんじゃってます。

気になったキッカケは、「五条先生は攻撃が当たらない」という情報から。なんだそれ?と。

そこからまずアニメを見て、こりゃ面白い!ってなってハマり、漫画を全巻買って毎週ジャンプで追うまでになりました。笑

魅力としては、王道漫画のオマージュ(王道漫画以外からもある)、キャラそれぞれの「死生観」や「言葉の呪い」、作中最強の呪術師・五条悟や呪いの王・両面宿儺の存在、張り巡らされた伏線と仕掛けなんかが熱いですね。

この辺を個人的な感想と絡めて語ってみたいと思います。

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呪術廻戦とは?

あらすじ

ある日、主人公の虎杖悠仁(いたどりゆうじ)は特級呪物と呼ばれる「両面宿儺の指」を何も知らずに拾ってしまう。死ぬほど身体能力が高かいのにも関わらずオカルト研究部に入っていた虎杖は指を先輩に渡して、ある夜に先輩が封印の呪符を剥がしてしまう。そこで呪霊が発生し、その特級呪物を追っていた呪術師・伏黒恵が事態を収めようとするもやられそうになる。その時に虎杖が割って入り、万事休すという時に呪力を得るため一か八か宿儺の指を食べるグルメ漫画。そこで宿儺が宿って危機を脱するも、呪いの王・両面宿儺が宿ったことで秘匿死刑が決定。だが最強の呪術師・五条悟が「今すぐ死ぬか」、「すべての宿儺を見つけ出し、取り込んでから死ぬか」という選択肢を与えてくれる。後者を選んだ虎杖は、そこから宿儺の指を回収しながら様々な事件や戦いに巻き込まれて行く中で様々な「死」にも直面していく。そして同時に最強の存在である五条悟を封印し、均衡を崩して何かを企てる者の不穏な計画が背後で蠢く。様々な呪いに対峙していく過程での葛藤や成長、呪いの力で戦っていくバトル要素、その中で深まっていく謎、明かされていく謎がたまらなく面白いダークファンタジー。

作品概要

2018年3月から芥見下々によって週刊少年ジャンプで連載中。鬼滅の刃の次に人気が来るということで「ネクスト鬼滅」、「ポスト鬼滅」とも呼ばれています。主に王道漫画のオマージュがふんだんに描写されていて、ブリーチ、ナルト、ハンターハンターなどが多め。これに関しては筆者も「王道に向き合う」という事と「既視感がある」とも語っています。

ジャンプGIGAで連載されていた「東京都立呪術高等専門学校」を前日譚としていて、これらの話は「第0巻」として単行本化されていて、2021年冬に映画化が決定しています。めちゃくちゃ楽しみ!

アニメは2020年10月から始まって、2021年の3月に一旦終了。全24話、八十八橋の話まで。

面白さ & 魅力

現代の正に現実世界を舞台にしているからか入り込みやすくて(渋谷の「田園都市線ホーム」とかピンポイントで刺さった)、今風なスタイリッシュな感じもあり、その辺はかなりいい感じかと思います。

登場キャラで五条とか宿儺はめちゃくちゃ魅力的ですが、女性キャラの癖強めなのも面白いかなと。とにかくみんな気が強い。(笑)好きな女性キャラは?=誰に踏まれて喜びたいですか?って性癖を暴露する勢いなくらい気が強いw

ストーリーのテンポが良くて、結構サクサク進んでいきます。テンポが良い中で、「助走をつけない」と言われる急に来るインパクトのあるシーンが面白くもあり、怖くもあり、痛快ですね。

まずは8巻までは読んでほしい!と思ってます。キングダムは18巻、ブルージャイアントとは10巻までまず読んでほしい!ってノリと一緒です。8巻の五条悟の昔話である「懐玉編」からより深みが増してくると思うんですよね。

「王道漫画のオマージュ」、「死生観」と「言葉の呪い」、「最強の呪術師・五条悟」と「呪いの王・両面宿儺」、「伏線と仕掛け」、「懐玉編がめちゃくちゃエモい」という所は特に個人的に気に入っていて、ここら辺のより詳しい面白さ&魅力と感想(ネタバレ含む)は後ほど書いてます。

単行本

ファンブック

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呪術廻戦の(個人的な)面白さ&魅力と感想

※ネタバレあります。

①王道漫画のオマージュ

この漫画の特色といえばまずコレかなと。自分はもはやウォーリーを探せ!的に楽しんでます。

影響を受けているのはブリーチ、ナルト、冨樫作品(幽遊白書、ハンターハンター)、エヴァンゲリオンなんかが色濃い感じでしょうか。伊藤潤二さんの「うずまき」なんかも話題になりましたね。他にも色々と映画だったり影響を受けていると芥見先生は語っています。

あまりにもオマージュが散りばめられているので、こじつけも含めて挙げればきりがないし、もしかしたら全然そうじゃないかもしれないけど、ハリー・ポッターとか、マトリックスとかの要素も勝手に考えちゃいますね。

クリストファー・ノーランは好き(ファンブックで)と語っていたので、渋谷事変の色んな場面の同時進行の描写とか、真人が「ダークナイト」のジョーカーっぽいとかはありそうですね。

個人的には、「十二国記」と「エヴァンゲリオン」のオマージュが熱かったりします。

十二国記に関しては、「「残穢」という言葉」、「第0巻の主人公・乙骨憂太が「魔性の子」の主人公・高里要(泰麒)」、「折本里香が饕餮(とうてつ)」なんかがオマージュされています。

十二国記とはまた関係性が違いますが、乙骨と里香はお互い幼いながら惹かれあった関係で、結婚の約束までしていた中というエピソードがまた切ないですし、その約束・関係性を"呪い"として描いていて、十二国記の関係性をいい感じに昇華してくれてるなぁと思います。

オマージュされてるってのもあるかもしれないですが、乙骨は推しキャラですね。程よく影のあるキャラで、でもめちゃくちゃいい奴じゃないですか。

「僕が大切にしている人達が君を大切にしているからだよ」

とかいい言葉残してます。

絵面というか、特級過呪怨霊・折本里香とのコンビ、日本刀を使うというビジュアルも好きですね。そしてめちゃくちゃ強い。最強ではないけど、呪術量は五条を超えていて、まだまだ強くなる余白があるところがまた絶妙かなと。

なので2021年冬の映画はめちゃくちゃ楽しみにしています。

エヴァンゲリオンは、庵野秀明の化身か?って思うくらいの「オマージュのぶっ込み具合」、「じゅじゅさんぽのエピソード」、「呪術界上層部がゼーレっぽい」、「死滅回遊が人類補完計画」などなど。

かなり影響を受けてますよね。エヴァの醍醐味である「考察」の要素も(ハンターハンターもそうだけど)しっかりありますからね。

エヴァの劇場版が遂に完結したのにここまでエヴァを匂わせられると卒業できませんよ。笑

呪術廻戦第0巻

②「死生観」と「言葉の呪い」

強引に結びつけてるっちゃそうかもしれないけど、十二国記のオマージュがあるという事で「骨太なテーマ」を探さずにはいられません。笑

それがこの「死生観」と「言葉の呪い」。

登場人物それぞれの死生観を、何気なくではなくて、改めてしっかり言葉を選んで描いているように思います。

虎杖の「正しい死」、伏黒の「不平等に人を助ける」、釘崎の「私が私であるため」、七海の「小さな絶望の積み重ねが人を大人にする」、吉野純平の「「好きの反対は無関心」なんて初めに言った人はちゃんと地獄に落ちたでしょうか」など。

特に吉野君の話は重かったですよね。七海健人の登場とか、終わりの虎杖の死生観が揺らぐとことか、盛りだくさんで濃い回でした。

そして面白いと思ったのが言葉の呪い。

虎杖がじいちゃんから言われた言葉、七海が灰原から言われた言葉、夜蛾が楽巌寺に言った言葉、五条の夏油に対する言葉、乙骨と里香の約束などの言葉が"呪い"として描いています。

言葉のもたらす影響力というか、縛りになったり、重荷になったり、あるいは愛ある言葉になったりと、色んな転び方をするんですよね。どれも死に際の言葉ですが、一見ポジティブな言葉を伝えているように思いますが、言葉の負の面の含みにもフォーカスしているといいますか、これは受け取り側の受け取り方が大事になりますが。

これらが今後、どう転んでいくかわからないけど、これらの"呪い"となった言葉が良い方向に向かっていってほしいですし、死へ向き合うという意味でも注目していきたい所です。

③「最強の呪術師・五条悟」と「呪いの王・両面宿儺」

みんな大好き五条悟。とにかく色々とカッコ良すぎ。

作中最強の呪術師で名門出身、数百年に一度の六眼と無下限呪術の抱き合わせ、イケメン(作中、リアルでもモテモテ)、 漏瑚が「何を持ち合わせていないのだ」というほどの強者。まあこれはビジュアルを含めての嫉妬でしょうね。絶対そうだろ漏瑚さんよ。笑

この漫画で最も話題になるキャラの一人かと思います。無下限呪術、領域展開・無量空処、虚式・、渋谷事変のブチギレなど戦った時は見所しかない男です。

僕は五条悟の存在で呪術廻戦に興味を持ちました。「攻撃が当たらない」という言葉に惹かれて。笑

煽りも秀逸で、特に漏瑚と最初に戦った時の「君弱いもん」がめちゃくちゃツボ。アニメではより煽って、舐め腐ってる感じが出てて最高です。

そして両面宿儺。

宿儺も戦い方がカッコ良くて、肉弾戦の戦い方がバチクソかっこいいし、術式、領域展開もお洒落。佇まい、言動もイカすんですよね。もう死ぬほど悪いやつだけど、美学を持っていて、強者には敬意を払うという、敵ながら魅力的です。呪術のマスコット・漏瑚を泣かした罪深い奴でもありますけどね。笑

この人は謎が多いし、どんな展開を持っているか楽しみでもあります。

バトルでいうと、最終的にはこの二人のガチの戦いが見れれば全て良し!ってくらいの感じじゃないですか?(そんなことはないか笑)

五条悟の「勝つさ」がカッコ良すぎたので、マジでガチンコで対決してほしい。

④伏線と仕掛け

僕はガチガチに考察してるわけじゃなくて、割とゆるくどうなるんだろ?って感じで楽しんでる感じですが、やっぱこの要素は楽しいですよね。

「受胎九相図」、「九十九由基」、「宿儺の過去・計画」、「虎杖の親の秘密」、「存在しない記憶」、「羂索の悪行の数々」、「死滅回遊」なんかは気になるところ。

虎杖の両親はなんかブリーチとかナルトとかの両親の秘密と通じるとこがあるんじゃねぇかなとか思ったりしてます。最初から両親のことはじいちゃんが言おうとしていて、引っ張っていたし、結構な秘密があるだろうって感じでしたが、突然、虎杖の母が"ヤツ"だったことが判明した時は衝撃を受けましたね。まあまだ秘密はありそうですから、気になりますね。

存在しない記憶は、ブリーチの月島の能力、幽遊白書の躯の偽の記憶なんかが思い浮かぶんですが、存在しない記憶が羂索(偽夏油)の仕業だったら、腸相が虎杖側に付く方が計画が有利に働くのかな?とか、そんなことも考えちゃうんですよね。どうなんだろう。

九十九由基はまだまだ謎ですよね。この人、考え方が善悪ってより、この世の仕組みとしてこれどうなるんだろう?みたいな考え方が強い気がしていて、十二国記の琅燦(ろうさん)みたいだなと思ってます。

羂索側なのか、それとも純粋な興味で夏油の闇落ち、星漿体暗殺とかに一枚噛んでいたら恐ろしいですけどね。

名前からして、付喪神とも関連があるのかなと思ったり。

付喪神、つくも神(つくもがみ)とは、日本に伝わる、長い年月を経た道具などに神や精霊(霊魂)などが宿ったものである。人をたぶらかすとされた。また、『伊勢物語』の古注釈書である『伊勢物語抄』(冷泉家流伊勢抄)では、『陰陽記』にある説として百年生きた狐狸などが変化したものを「つくもがみ」としている。現代では九十九神と表記されることもある

 

これは割とどうでもいい話ですが、個人的にはぜんっぜん好きではないんですが、重面春太と組屋鞣造がなんかね、ツボでした。この二人のイカれっぷりが。笑

そして面白かったのは天元が組屋鞣造の名前を出した事。この人、るろ剣の外印っぽいなんて思いながら、なんかもうすげぇイかれてるやつなんだけど、結構いい仕事してるみたいな。(もしかしたらどうでもよくなくてかなり重要人物だったりしてw)

重要な感じを見せないで実は重要みたいなのたくさんありそうですよね。

⑤懐玉編がめちゃくちゃエモい

自分は五条の過去編である「懐玉編」が結構気に入っていて、なんと言いますか...

めちゃくちゃエモい。

学生時代を振り返る爽やかさもありながら、ある事件をキッカケにどんどん歯車が狂っていって、取り返しのつかない事になるという、なんとも後ろ髪を引く展開になっています。

この話を知ると深みがグッと増しますし、この展開からの渋谷事変ってのが熱い流れなんですよね。

「五条・夏油の過去」、「天与呪縛の最高傑作・伏黒(禪院)甚爾の介入」、「星漿体・六眼・天元の因果が断ち切られる」、「五条が最強になった」、「夏油の闇落ち」などなどかなりボリュームもありますしね。

最初は、五条と夏油を中心とした学生時代の爽やかでヤンチャな青春時代って感じで(なんかこの二人ゲットバッカーズっぽいなぁなんて思うんですが、この作品はオマージュが効きすぎてるからもはやなんとでも言えるけどもw)、星漿体の天内理子も天真爛漫だけどすげぇいい子で、前半はもうなんか、あぁ、なんか良いなこの感じ。ってなります。

沖縄の流れから(水族館のクジラを見てるシーンはなんか印象的だった)、理子と黒井さんの別れ、同化する直前に夏油(五条も承諾済み)が同化をしない選択肢を与えてからの理子の涙をこぼしながらの同化しない選択。何このイカす奴ら。胸熱。

「俺(私)たちは最強」が熱く響いてましたね。

って思ってたとこからの、

天内理子が殺される

はヤバすぎるって。この前の五条が伏黒甚爾に刺されたシーンも助走つけないで「トスッ」ってきたけど、天内死亡のシーンはより助走つけない感じで、うわ...マジか...ってなんか驚いたというより、ちょっと言葉を失ったって感じでショックでしたねぇ。この展開の"具合"には戸惑いを隠せないw

ここから歯車が狂っていく所がなんとも歯痒くもあり、遣る瀬無い感じでした。五条は最強になった。でもその代償というかのように、夏油が闇落ち。

夏油の闇落ちには、色々なもの(五条が最強になる、盤星教信者のイカれた歓迎、九十九由基との会話、一人の任務など)が蓄積された結果ではありますが、二人の別れ際からも"代償"というのが一番しっくりくるかなと。

「俺(私)たちは最強」という言葉が逆に呪いになっているかのように。

伏黒甚爾の存在もかなりインパクトありましたよね。呪力"0"の天与呪縛。戦いにおいても、頭脳戦、いや驕りのない弱者戦略とでも言いますか。そんな非情な戦い、戦略、人生を生きていたハズなのに、戦いの決着がついた時のセリフがいちいち熱かったりするんですよね。

五条、天内、夏油を始末(五条、夏油は死んでないけど)した後、「だが、その恵まれたオマエらが、呪術も使えねぇ俺みたいな猿に負けたってこと、長生きしたきゃ忘れんな」って言ってて、プライドあるんじゃねぇか!って話です。五条との再戦で負けた後は息子の事を言って死んでいきましたからね。このキャラで人間味をコソッと出してくるのは罪だぞ。笑

五条と夏油の対比、天内理子のキャラ、境遇、本音、伏黒甚爾の二面性なんかがめちゃくちゃグッとくるものがありました。

何が正義で何が悪なのか、明確なものがハッキリしない、色々な思い(思惑)が混ざり合った、後味は悪いけどなんとも言えないエモさも混在していて、展開はもはやなんか狂気じみた美しさすらあるように感じちゃいましたね。

ここから渋谷事変での五条封印。五条はもとより読者も封印される勢いな、懐玉編はそんな仕掛けでしたよね。

ちなみに、夏油傑の闇落ちは幽遊白書の仙水忍がモデルになっていると言われていますが、五条と夏油の関係性はナルトのカカシとオビトなんじゃないかと思います。

このナルトでの関係性が呪術廻戦のストーリーに絡んで来るかは分からないですが、夏油は乗っ取られているけど、まだ生きているとも言えなくないと思うので、五条と何かしらやってくれるんじゃないかと思っています。

第0巻でも五条の夏油へのセリフがありますが、おそらく「僕の親友だよ、たった一人のね」で、夏油は「最後くらい呪いの言葉を吐けよ」って言ってましたが、それが愛ある"呪い"となって何かが起こる展開を期待しています。

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まとめ

なぜ人気があるのか?とかロジカルに説明していらっしゃる方は沢山いますし、自分にはそんなに分析できる能力もないので、個人的な面白いと思うところと感想を書いてみました。

  • 王道漫画のオマージュが熱い
  • 「死生観」と「言葉の呪い」に考えさせられる
  • 「最強の呪術師・五条悟」と「呪いの王・両面宿儺」がクソかっこいい
  • 伏線と仕掛けが楽しい
  • 懐玉編がめちゃくちゃエモい

まだまだ連載中ですし、映画化も控えていますので、これからも楽しんでいきたいと思います。

単行本

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