小曽根真&アヴィシャイ・コーエン『The Amity Duet』大阪公演の感想|最高の二人による「神々の遊び」【住友生命いずみホール|2023.10.13.】
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2023年10月13日(金)に小曽根真&アヴィシャイ・コーエン「The Amity Duet」大阪公演に行ってきました。

会場は住友生命いずみホール。

小曽根さんのコンサートは約2年ぶりで、今回はイスラエルの最強ベーシストのアヴィシャイ・コーエンとのデュオということで是非とも行ってみたくて大阪まで遠征しました。

今回は旅も含めて、素敵なコンサートを堪能させてもらいましたね。

二人の雰囲気の良い中でのインタープレイ、最高だったなぁ。

そんなコンサート当日の感想を書いてみました。

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セットリスト(曲目)

1. On Green Dolphin Street (Bronislaw Kaper)
2. Gesture #2 (Avishai Cohen)
3. Snap Shot (小曽根 真)
4. Remembering (Avishai Cohen)
5. O‘berek (小曽根 真)
6. Sometimes I Feel Like a Motherless Child (spiritual) *Bass & Vocal
7. Lazy Uncle (小曽根 真)
8. Everything Happens to me (Matt Dennis 作曲 / Tom Adair 作詞)
9. Matrix (Chick Corea)
10. The Ever Evolving Etude (Avishai Cohen)
アンコール:I Didn’t Know What Time It Was (Richard Rodgers作曲 / Lorenz Hart作詞)

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小曽根真&アヴィシャイ・コーエン「The Amity Duet」大阪公演の感想

久しぶりの小曽根さんコンサートとプチ遠征

小曽根さんのコンサートは2021年11月の鹿児島公演以来で約2年ぶり。

2023年に入って、アヴィシャイとのデュオ、ブランフォード・マルサリスやクリスチャン・マクブライドとの熱い共演が続々と行われる中、どれかには行っときたい!と思い今回のアヴィシャイとの「The Amity Duet」に行くことにしました。

自分は鹿児島住みなので福岡公演がいいのかなとも思いましたが、ある程度早い段階でコンサートを知っていたので、飛行機代や宿が安く抑えられるのもあり(笑)、行ったことのない場所でほんの少しでも観光できればと思い大阪を選びました。

今回のプチ遠征は初めての大阪ということで、コンサートがメインなのはもちろん、ちょっとした観光と美味しいものが食べられればなと。

大阪に着いた当日にコンサートでしたが、宿にチェックイン後に道頓堀周辺を少し練り歩いて、たこ焼きを食べて会場の「住友生命いずみホール」に向かいました。

本場のたこ焼き、美味すぎた。。。

チック・コリアへのリスペクトを感じる「神々の遊び」コンサート

大阪城に近い場所にあって、思ったより閑静な場所にあるような気がしました。

今回のツアーは程よい大きさのクラッシックホールをどこも選んでいて、ここ「住友生命いずみホール」も800席ほどの素晴らしいホール。

大人の雰囲気を感じつつ入場して開演を待ちます。

会場が暗転して二人が満を辞して入場してきましたが、かなりリラックスしてる様子で最初の曲が演奏されました。

確か最初の音はアヴィシャイのベースからだったと思いますが、

「マコト、今日はどんな感じ?」と問い掛けるような、気楽な会話から始まった感じ。

2月のブルーノート公演のセットリストは復習していて、今回の公演と照らし合わせると、最初の「On Green Dolphin Street」と最後のアンコール曲「I Don't Know What Time It Was」は固定で、二人を繋げたチック・コリアリスペクトをそのままに、それぞれのオリジナル曲が数曲組み込まれたプログラム。

少しプログラムは前後して書いてしまいますが、やはりチック・コリアへのリスペクトはしっかり組み込まれていましたね。

「20年ほど前に知り合って、やっと20年越しにこうやって共演が実現した!」

ということで、以前にも小曽根さんがアヴィシャイとの共演に対しての思いを熱く文章で語っていましたね。

チック・コリアのオリジナルは「Matrix」のみでしたが、「Snap Shot」と「Gesture #2」はそれぞれチックを思って作られた楽曲とMCで語られていました。

小曽根さんの「Snap Shot」はチック・コリアとのライブアルバム「レゾナンス」に収められている楽曲で、個人的に結構気に入っている曲です。

なんというか陽気な部分もありつつ、メロディーがなんとも煌びやかでオシャレでモダン(個人的には)な感じがカッコ良いんです。

昔ながらのジャズというより、チックの多彩にジャンルを渡っていくいつまでも若い音楽が反映されているような気がしてます。

チック・コリアとのインタープレイが「Snap Shot」という言葉をまさに表現しているようで、今回はチックの魂を持った二人の演奏、しかもピアノとベースという組み合わせがまた新鮮な感じで聴けましたね。

「Gesture #2」はアヴィシャイの2019年リリースのアルバム「Arvoles」に収録されている楽曲で、アヴィシャイの特徴的なエキゾチックな音楽ですねぇ。

ホーンセクションも取り入れられている楽曲群の中の1曲で、穏やかな楽曲。

この曲がアヴィシャイの最初のオリジナル曲の演奏でしたが、おぉ〜、アヴィシャイの曲きたなぁ!とまた違う風が吹く感覚でした。

「Matrix」はチックの名曲ですが、これはかなり盛り上がってましたね。

勢いよく始まってどんどん盛り上がっていって、途中はゴリゴリにラテンのリズムになってフィニッシュ。ブラボーでしたねぇ。

もうねインタープレイが凄い。まさに神々の遊び。

「皆様を置いていかないように...」とMCがありましたが、全然、もうぶち込んじゃってください!と思ってました。

「少し見た目はいかつい感じだけど優しい人で...」との小曽根さんのMCもありましたが、確かに見た目はマフィアのボsみたいで強面ですが、笑

アヴィシャイのベースは一見どこか野生的で太くて、もはや体の一部なのでは?という豪快なプレイにも見えるのだが、かなり繊細に作り込まれている側面も凄く感じます。

割とトリオは聞き慣れているけど、ベースとのデュオはどうなるかな?と思いましたが、かなり良かった。より純度高く"ピアノ"と"ベース"の素晴らしさが感じられて、二人の会話を楽しめましたね。

リラックスした雰囲気もあり奏でられる音が楽しそうだったなぁ。

オリジナル曲の化学反応が味わい深かった

オリジナル曲は先ほど書いた曲と、小曽根さんは「Lazy Uncle」と「O'berek」、アヴィシャイは「Remembering」と「The Ever Evolving Etude」。

「Lazy Uncle」はブルージーな感じで、これはアヴィシャイがあまり普段演奏しなさそうなテイストかなと思って新鮮な印象。

最近発売したブランフォード・マルサリスなどのとのアルバム「A Night in Tokyo」にも収録されていて、小曽根さん的にもコンサートピースなのかも。

もう1曲が「O'berek」でこれは「OZONE60」に収録されている2台ピアノ曲。この曲は生で聞いたことありますが、1人で弾くにはかなり忙しそうだったな。笑

ポーランドの舞曲の一種で、クラシックな要素がある1曲。

今回のコンサートではかなり入りを変えてる感じで、「これどう?」という感じで、結構攻めてて興味深く聴いてましたね。

こうやって実験的というかかなり違う感じで入っても元の曲に着地して展開していけるのほんと凄いよなぁ。

その中で特に素敵だなと思った1曲が「Remembering」。

アヴィシャイの曲でこのコンサート前にも結構聞いていた曲です。まさにアヴィシャイのエキゾチックなイスラエル音楽という感じながら、ゆったりとした繊細な楽曲。

小曽根さんがこの曲のピアノで伴奏をしているのが新鮮で、素敵だったなと。しっとりとしたピアノとアヴィシャイのベースが綺麗に噛み合って、まさに二人の音楽が融合しているような瞬間でした。

アヴィシャイのアドリブがメインとなりましたが、この曲はこのコンサートでの一番のハイライトかもしれません。

アヴィシャイはこの公演中に祖国が大変な状況になっていて、その影響もあり途中に「Sometimes I Feel Like a Motherless Child」を歌ったと思うのですが、ホントにそんな中素敵な音楽を届けてくれて感謝しかありません。

最後の「The Evolving Etude」の変拍子っぷりやアンコールの「I Don't Know What Time It Was」もアヴィシャイが歌ってくれましたが、響きましたね。その多彩さに痺れるばかりでした。

そう考えるとスタンダード、クラシック、オリジナル曲と多様なプログラムになってましたよね。

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おわりに

小曽根真&アヴィシャイ・コーエン「The Amity Duet」大阪公演の感想を書いてみました。

大阪の雰囲気を味わいつつ、豪華な二人が共演したコンサートは最高すぎました。

この二人のテイストの融合はたまらなく素敵なので、是非ともライブアルバムでもいいので録音を残して欲しい!

今回はデュオでしたが、ここまで来るとトリオでも聴いてみたいなと思ったり。

また二人のツアーが実現することを願っています。

余談ですが、住友生命いづみホールが総来場者数400万人を達成して、400万人目の方に小曽根さんとアヴィシャイのサインを舞台上でプレゼントするというイベントがありました。

くぅ〜羨ましい!当日に居合わせたからニアピンだなぁ。惜しかった。笑

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