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2023年11月22日(水)に行われたクリスチャン・ツィメルマン「ピアノ・リサイタル」鹿児島公演に行ってきました。

会場は鹿児島市民文化ホール(川商ホール)の第1ホール。

もはやクラシックの世界では最高峰のピアニストとして超有名ですが、個人的にも一番大好きで憧れのクラシックピアニストです。

日本ではよくツアーをしていますが、まさか鹿児島に来るとは!とチケット発売日にチケットをゲットしました。

もうね、圧巻という演奏で素晴らしい時間を過ごさせてもらいました。

そんなリサイタルに行くまでの経緯や当日の感想を書いてみました。

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曲目

  • ショパン:ノクターン第2番、第5番、第16番、第18番
  • ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 全楽章
  • ドビュッシー:版画(「塔」、「グラナダの夕べ」、「雨の庭」)
  • シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 全変奏
  • ラフマニノフ:前奏曲Op.23-4(アンコール)
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クリスチャン・ツィメルマン『ピアノ・リサイタル』鹿児島公演の感想

憧れのピアニストが鹿児島に(リサイタルに行くキッカケなど)

今回のリサイタルを知ったのが、ツィメルマンのコンサート行きてなぁと検索していて、今回のツアー詳細を見ていたら、

鹿児島

という文字が目に入ってきて、

鹿児島来るんかい!って突っ込んでしまったんですよ。笑

これは嬉しかったなぁ。日本にはツアーに結構来るのは知っていて、いつか東京まで行くかなぁとか思ってたので地元でのリサイタルはこの上ない。

自分自身、クラシックはそこまで詳しい訳ではありませんが、クリスチャン・ツィメルマンは一番大好きなクラシックのピアニストです。

ハマったキッカケはショパンの「バラード第1番」で、たくさん聴き比べをしていた中でもう自分の中ではぶっちぎりでクリスチャン・ツィメルマンだったんですよ。

そう、このアルバム「ショパン: 4つのバラード、幻想曲、舟歌」。

この中の「舟歌」もホントに大好きなんですが、そこからもう自分の中ではNo.1のクラシックピアニストですね。

ツィメルマンもこの桜島をおそらく見てくれていると思いますが、鹿児島を楽しんでくれたでしょうか。

始まる前にかなり公演中の「音」に関しては注意がありました。途中入室はもちろん、咳や配布されたプログラムの取り扱いなど、アナウンスとプログラムにもしっかり記載されていました。

そしてピアノの撮影も禁止されていました。ここ鹿児島でもやはりピアノは持ち込みだったのかな?会場の外の隅にスタインウェイのトラックが止まっていたのでもしかして...。

かなりこだわり抜かれているなぁと。少し襟を正される思いで本番が始まりました。

代名詞のショパンを堪能した前半のプログラム

会場が暗くなって遂に登場。

クリスチャン・ツィメルマン、本物や...(ってなるのはもうしょうがない笑)

いや〜、もうオーラがすげぇ。

少し微笑みながら一礼してピアノに向かいましたが。白髪のヴィルトゥオーゾがピアノを弾く姿はめちゃくちゃ絵になります。

代名詞のショパンから始まった前半のプログラム。

一番初めのノクターンが第2番から。この曲はもう超有名曲でプログラムに入っているのが意外だなぁと思った曲。

ここから全4曲のノクターンが披露されましたが、結構渋い選曲だなぁと思いましたがどうでしょう?笑

ツィメルマン的にはこのあたりのノクターンの時期だったのか、本命のシマノフスキを意識してこの選曲になったのかは定かじゃありませんが、いずれにしても、

めちゃくちゃ美しかった。

ノクターンで音数が少なく静かな曲が続きましたが、その1音1音を噛み締めるように、最後の1音が消えるまでが息を呑むような空気を秘めていたような気がします。

次のピアノ・ソナタ第2番も名曲中の名曲ですが、ここは特に第3楽章「葬送行進曲」が響きましたねぇ。

第2楽章が終わってから少し間をあけて(ちょっと気持ちを入れているような)弾き始めましたが、ノクターンのように1音1音、一つの和音和音にかなり気持ちを乗せているような熱演だったかと思います。

そこから第4楽章は間を空けずに凄まじい技巧であっという間に弾き上げてソナタ第2番は終わりました。

なんかもうこのご時世(だった)ことを憂いているようにも、それに対してのレクイエムのようにも聞こえました。

水のような荒さの全くない流麗な音の流れと、時に情熱がほとばしる瞬間がたまらなかったなぁ。

今回のリサイタルの本命、シマノフスキの変奏曲でフィナーレ

後半はドビュッシーの「版画」からスタート。

同時代を生きた(ちょっとドビュッシーが先)シマノフスキの今回演奏される楽曲とほぼ同時期に完成された曲で、「東洋風」、「ハバネラ」などの要素が入っているのが特徴的。

今まであまり聴いてこなかった楽曲でしたが、この新鮮な作風がまた味わい深くて少し違う風を吹き込んでくれているようにも感じましたが、同時期に生き、同時期に完成された曲という繋がりもあるのかな?と。その相性のようなもので、今回は次の楽曲の助走的な立ち位置ですが、気持ちよくシマノフスキへと受け渡されていったように思いました。

そして今回の本命、カロル・シマノフスキの「ポーランド民謡の主題による変奏曲 ロ短調 Op.10」。

こちらは今回のリサイタルに向けてツィメルマンの録音を結構聴いていましたが、美しい曲なんですよね。主題がマジで美しい。

序奏が弾かれて、次に主題。これが大分気に入ってましてね。ツィメルマンの演奏美しかったなぁ。。。

ショパン、ドビュッシーの流れで温まってきたところでこの変奏曲がどんどん表情を変えて主題とともに盛り上がっていきました。

途中に「葬送行進曲」的な変奏が出てきて、これはもうショパンのソナタ2番と繋げているなと今回のプログラムのシナジーを再確認しましたね。

最後はまさにザ・フィナーレとも言える盛り上がり方からの大団円的な終わり。こりゃもう気持ち良すぎでしょ。笑

やはり同郷の作曲家を取り上げてプログラムのメインに据えるのは感慨深くそのスピリッツが共鳴するところなのでしょう。

シマノフスキは全然知らなかったのですが、素晴らしい作曲を素晴らしい演奏で知る事になって感謝しかないですね。

とりあえず主題の部分だけでも弾けるようになりたい。笑

いや〜もうね、すんげー計算されて緻密に構成して、一音一音に意味を持たせて弾いてる。響きもどの音がしっかり重なって、どこを外すかなども含めてペダルも繊細に踏んでいる。

ともすれば技巧的な所に寄っているのかなとも思われなくもないけど、

粒立ちが最大限に生かされるテンポ、歌心と技巧の絶妙なバランス、時に情熱的に奏でているな(素人意見ですがw)というのがホントに印象的でした。

ショパンのバラード第1番に関してもそこがホントに響いたんですよね。

あまりにも上手かった、いやもう「上手い」という言葉が陳腐かもしれないけど、笑

あまりに流麗で百戦錬磨、圧倒的に凄まじいバランスで演奏してましたね。

右左のバランスも最強で、もうオートで左手のコントロールがされて濁らないで右手がクリアに聞こえる。

情熱的に行っても崩れないだけのテクニックがある。そしてその場の雰囲気、音の響きでその時だけの音楽を作り上げていたように思います。

なんかこう...ツィメルマンは散漫な印象が全くないというか、あらゆるものが統一感を持って大きなエネルギーが流れているような感じですよね。

今回のプログラムも全体でストーリーがあって、そのストーリーを丁寧に音で紡ぐことに心血を注いでいたのかなと。

そして鑑賞マナーが厳しめに取られてはいましたが、やはりそれもしっかり前のめりにその生演奏を楽しむため、味わうためだと改めて感じました。

聴く側の、よし聴くぞ!という姿勢も大事だよなと改めて思いましたね。

アンコールはラフマニノフの前奏曲から

シマノフスキ終了後、カーテンコールが2回あって、アンコール無しかなぁと思っていたら3回目の登場で弾いてくれました。

演奏中は何の曲か分からなかったのですが、めちゃくちゃ綺麗な曲じゃん...と思いながら聴いていて、終演後にアンコール曲が書き出されていて、

「ラフマニノフの前奏曲Op.23-4」

となっていました。

こんな綺麗な曲あったんだ!となんか嬉しくなっちゃったのですが(勉強不足ですいません)これもいつか弾いてみたいな。(すぐ弾きたくなる笑)

ツィメルマンがアンコールで弾いてた曲ってなると完全に思い入れ抜群だからな。笑

この前奏曲も今回演奏されたドビュッシーとシマノフスキの楽曲とほぼ同時期でその辺も意識して弾いてくれたのかなぁ。いやぁホントに素晴らしかった。

アンコール後も拍手が止まず、2回ほど出てきて拍手喝采の中照明が明るくなり、ツィメルマンがおそらく観客の子供さんを見つけたのか(定かではないですが)帰ってご飯食べて寝なさいとにこやかにジャスチャーして去っていったのがお茶目だったな。笑

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おわりに

クリスチャン・ツィメルマン「ピアノ・リサイタル」鹿児島公演のリサイタルに行くまでの経緯や当日の感想を書いてみました。

憧れのピアニストの演奏を実際に体感することが出来て素晴らしい経験になりました。

これはピアノが上手くなれそうな気がする。(練習しろ笑)

ショパンはもちろん、ドビュッシーやシマノフスキ、アンコールのラフマニノフと今まであまり触れてこなかった作品を知ることができたのも楽しかったなと。

また鹿児島で、というのは難しいと思いますがまたリサイタル(コンサート)に行ければと思います。

※VLOGも作ってみました。

 アルバム

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