2023年の1月に宮崎県立芸術劇場の「アイザックスターンホール」で演奏をして参りました。
ちょくちょく参加させてもらっているピティナ・ステップでの舞台でしたが、
素晴らしい経験をすることが出来ました。
演奏した曲はジャズピアニスト・小曽根真さんがアレンジしたボズ・スキャッグスの「We're All Alone」。一番憧れていた曲です。
正直、演奏が上手くいったとはとても言えませんが、感無量でしたし、まだまだだなと、もっと上手くなりたい!と思わせてもらいました。
この日までのちょっとした過程やエピソードもありまして、当日の様子を演奏した動画も含め書いてみました。
Contents
宮崎県立芸術劇場の『アイザックスターンホール』で憧れの曲を弾いた日の体験談
参加した2つのキッカケ
参加したキッカケは2つあって、
- 小曽根真さんのファンで実際に観客で行ったことがあった
- ピティナ・ステップに今まで参加してきて参加条件を満たしていた
ということ。
以前に小曽根真さんのソロコンサートをこの宮崎県立芸術劇場のアイザックスターンホールで聴いたことがありました。
すげぇ迫力のホールだな...と思っていて、自分が参加してたピティナのステップでこの会場で行われるのを見た時に、
ここで弾けるのか!
と心踊って申し込みました。
普段はイベントホールで行われているのですが、このアイザックスターンホールで行うというのはどうやら特別なステップで、参加条件が今までにステップの舞台を5回以上踏んだ人が対象。
この数ヶ月前に鹿児島の姶良で行われたステップでちょうど5回を達成していて、その様な事も重なったことが参加に繋がりました。
憧れの曲の小曽根真Ver.「We're All Alone」で挑む
この舞台で選んだのは、小曽根真さんがアレンジしたボズ・スキャッグスの「We're All Alone」。
ずっと憧れていた曲で一番大好きな曲です。
この舞台のために練習していた訳ではなくて、2022年の3月から練習を開始して、2022年9月に行われる鹿児島の姶良ステップに照準を定めて練習をして、その後、この舞台に出るならこの曲しかないでしょ!という事で選びました。
でもまあ憧れの曲とはいえ、ひじょーーに!難しい訳です。笑
姶良までの半年間で何とか弾き通せる様になって、ここは本番で上手くいくのか?と半ば博打みたいな感じで挑んで思ったよりも上手くいった箇所もあった姶良のステップ(それでも全然納得できる演奏ではない)、この曲はもっとブラッシュアップして忘れない様に弾いていきたいと思いながらも、本番の少し前が仕事で忙しく詰めきれなくて全然上手くいかなかった加世田の「いにしへピアノフェスタ」、という本番を2回経験してからの宮崎でした。
「いにしへピアノフェスタ」で不甲斐なかったので、結構集中して練習したと思います。
本番当日は宮崎県立芸術劇場まで車で爆走
普段鹿児島に住んでて、宮崎は隣県ですが、宮崎市となるとそれなりに遠かったりします。約2時間半から3時間弱を車で爆走。
でもその旅路がまた良かったりするんですけどね。
ナビ通りに行ってたのですが、距離を優先した結果、この道通るの?って場所を通ったりしながら、そんな場所を通るもんだからちょこっと通る道を間違えたり(笑)そんなこんなしながら会場に到着しました。
駐車場に着いたところで職場から電話が掛かってきてちょっと水を差されたのですが(笑)、
以前コンサートで来た時は駐車場に中々停められなくて開始5分前だったという経験があるので少し余裕を持って到着しました。
コンサートじゃないから空いてるのは当然で全然余裕だったのですが。笑
約1年半ぶりくらいでしたが、まさかここで自分が弾くために訪れるとはって感じでしたね。
県外のステップは初めてで、ちょっとしたアウェーを感じつつ受付を済ませて本番を待ちました。
にしても相変わらずの迫力。
ウィーンのムジークフェラインスザール(黄金の間)をモデルに建てられており、壁や天井、座席の角度に至るまで「音量感/残響感」を考えた設計が施されている。
シューボックスタイプ(直方体)のステージの正面バルコニー上には66ストップを有する国産(須藤オルガン工房製)最大のパイプオルガンが設置されており、客席数1818席のオーケストラ専用ホールとして設計されている。一部可変のオーケストラひな壇4段が常設されている。
内装には宮崎県産のケヤキ、ミズメザクラ (ただし 突板 無垢材は防火上使用不可)が使用されている。
名称については当初はただコンサートホールとされていたが、宮崎国際音楽祭においてアイザック・スターンが関わったことより名称変更されている。
というまさに音楽のためのホールで緊張感も増していきました。
「アイザックスターンホール」で本番を迎える
出番が近づき舞台袖に移動。最後から2番目だったのが最後の人が欠場になり、トリになるという。笑
余談ですが、この前の本番2回(姶良、加世田)も最後の人が欠場してトリになっていたのですが、まさかこの時もなるとはって感じでした。何かの呪いなのか?苦笑
舞台袖は結構豪華な感じで、明るくソファーもありロビーに居る様な感覚でした。今まで経験した会場の舞台袖はまさに「裏側」という感じだったので、なんか...ゴージャス。なんて思いながら待機してましたね。
そしていよいよ自分の出番。パイプオルガンの荘厳な建築を横目に入場していきます。
(この引きの動画が迫力あっていいかなと思ったのですが、遠くて音がイマイチ。ちゃんとしたマイク欲しい。笑)
最初の入りはそれなりに上手くいったと思います。
ですが最初から最後まで小さな震えが止まらなかった。苦笑
なのでやはりちょっとテクニカルな場所はそんなに上手くいった印象は無くて(でも凄く上手くいかなかったという訳でもなく)、技術的な面で言えば地に足ついて演奏は出来ませんでした。
でも頭は思ったよりクリアで、暗譜が飛ぶという感覚がほぼなくて間違ってもすぐ修正できたり、あまり間が空くという事はなかった様に思います。
緊張してるんだかしてないんだか、よく分からない不思議な感じでした。
いやでも結果的には緊張していたんでしょう。
思ったよりも会場の迫力に飲まれて、憧れのアーティストと同じ舞台に立ち、その人の曲を弾いているというのが自分にとって大きなものだったんだと思います。
まあそれでもちゃんと無事に弾き通せたのがなにより。
演奏はまだまだだったけど、大好きな曲をこの様な素晴らしい舞台で引けたのは幸せでした。
この場でしか感じられない事はまた糧になって次に繋がってるいくと思いますし、満足感、充実感がありました。
弾いていて、このホールの音の感覚はやはり素晴らしかったように思います。
響きは自分にも良く聞こえるし、音が飛んでいくのも気持ちよく感じられる、非常にバランスの良い印象でした。
やはり聴いている側だけじゃなくて、弾いている側も気持ち良いのが良いホールなのかなと。
この日を終えて
改めて、この日を終えて思ったことを。
憧れの曲をこの素晴らしい舞台で弾けて幸せでした。
と同時にもっと準備しないといけない、上手くならないといけない、いや、上手くなりたいと強く思ったのが本音でした。
まあ自分の演奏にはいつも厳しくなっちゃうのですが。苦笑
正直、あまり本番で上手く弾けてない事が続いていたので、改めてふんどしを締め直す感覚になったんです。
まあ曲の難易度が高いので、本番で弾きこなすというのは大変なんですけどね。準備期間をもっと取って、長く弾いてブラッシュアップしていかねば。
まだまだ道半ば、それを分からせてくれた日でした。
それと、たまにはこの舞台をなんとか超えた自分を褒めておこうと思います。笑