今回は洋楽の往年の名曲を素敵なジャズでアレンジしたピアニストの名演を紹介したいと思います。
いずれもピアノソロでしっとりとした叙情的な演奏で原曲へのリスペクト、そして原曲の持つポテンシャルを更に引き出してくれているようなアレンジになっています。是非聴いてもらいたい名演ばかりです。
「小曽根真」、「Fred Hersch(フレッド・ハーシュ)」、「Brad Mehldau(ブラッド・メルドー)」の3名のジャズピアニストがカバーした洋楽から5曲、珠玉の名アレンジを選んでみました。
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洋楽をジャズアレンジでカバーしたピアニストの名演5選
We're All Alone/ボズ・スキャッグス
1970年から80年代にかけて活躍したボズ・スキャッグスの名曲「We're All Alone」。
日本のジャズピアニスト・小曽根真さんがアレンジしたピアノソロが「Wizard of Ozone」というアルバムに収録されています。
アサヒ黒生のビールのCMでも使用されていたので、もしかしたら聴いたことがある方もいるかもしれません。小曽根さん自身はディスコのチークタイムで流れていた思い出の曲として挙げています。
僕にとって一番大好きで大切な曲です。趣味のピアノでももちろん挑戦しました。
個人的な思い溢れすぎですが(笑)、それでも弾いてみたいと憧れる人も多い曲だったりもするんですよね。
あまりに素敵なアレンジで、出だしの煌びやかなアルペジオ、しっとりと歌うような前半、所々入るオシャレな動くフレーズ、一番盛り上がるサビのたまらない高揚感、などの心を掴む強い展開、そのどれもが人生を感じさせてくれて、
あぁ、人生捨てたもんじゃないな。
と思わせてくれるんです。
文句なしの名曲の名アレンジ。
Both Sides Now/ジョニ・ミッチェル
ジャンルに囚われなく、様々なテーマを歌い上げてきたシンガーソングライター、ジョニ・ミッチェルの「Both Sides Now」。邦題は「青春の光と影」。
ジュディ・コリンズが最初に歌っていますが、後にジョニ・ミッチェル自身もセルフカバーをしています。
歌詞の内容が人生を2つの視点から見るという、ちょっと哲学的で深い内容になっています。
この曲をピアノの詩人と呼ばれるFred Hersch(フレッド・ハーシュ)がカバーしていて、「Solo」というアルバムに収録されています。
彼自身が病で倒れて生死の境を彷徨ったり、色々と葛藤のある人生を送っているからこそこの音が紡ぎ出されるのだろうなという演奏。
溢れんばかりの慈しみを持ったアレンジになっていて、その響きの美しさ、リズムの刻み方、曲の展開がホントに素敵です。歌詞が注目される曲ですが、歌詞が無くてもここまで心に沁みる演奏が出来るのかと思いました。
Life On Mars/デヴィッド・ボウイ
音楽だけでなく、俳優やファッションアイコンとしても活動していたあまりにも有名なアーティスト、デヴィット・ボウイの「Life On Mars」。
歌詞が「現実に失望した少女の歌」になっていて、そこで火星に想いを馳せて現実逃避しているような、一風変わった内容。
曲調はピアノが印象的で物悲しい感じがありますが、最後の方は劇的にフィナーレを迎えます。
現代最高のジャズピアニストの一人、Brad Mehldau(ブラッド・メルドー)が「LIVE IN PARIS 2020 ビートルズの世界」というライブアルバムで披露しています。
元々がピアノから入る曲なのでスッと入ってきますし、このメランコリックな雰囲気の中にも包み込んでくれる優しさがあるような解釈をもたらせてくれる演奏。
このライブアルバムはアマゾンや楽天で取り扱いが無いのが惜しいところ。ホントに素敵な演奏ばかりです。
She/エルヴィス・コステロ
イギリスのロック・ポップスのミュージシャンとして非常に有名なエルヴィス・コステロの「She」。元々はシャルル・アズナブールの曲で(邦題は「忘れじのおもかげ」)、映画「ノッティングヒルの恋人」でカバーして有名になりました。
恐らく曲名を知らなくても最初の方を少し聞くと、あ、聞いたことあるかも、となるくらい有名なメロディーでロマンチックな曲です。
小曽根真さんがアルバム「Falling in Love Again」でカバーしています。
エルヴィス・コステロの奥さんが世界的に有名なジャズシンガーのダイアナ・クラールなんですが、彼女が小曽根さんのバークリー時代の同級生みたいで、それも少しは関係するのかなとか勝手に推測したりしてるのですが。笑
原曲さながらのめちゃくちゃロマンチックな雰囲気のアレンジになっていて、これぞ大人の雰囲気。というホントに素敵なアレンジです。
サビが盛り上がっていく様もたまらなくて、決してそのロマンチックな雰囲気を壊さないラインで綺麗に盛り上がっていくんですよ。
しっとりとジャズで浸りたい時に是非!
New York State of Mind/ビリー・ジョエル
弾き語りスタイルで「ピアノマン」である超有名なビリー・ジョエルの「New York State of Mind」。
デビュー以来拠点にしていたロサンゼルスから、故郷のニューヨークに戻る際の想いを歌ったという。同時多発テロのチャリティーコンサートでも披露されています。
このようなエピソードを知ると、少し背景は違いますがオスカー・ピーターソンの「自由への賛歌」のような、個人的なルーツと時代に結び付くという意味では共通するような名曲ですよね。
原曲をリスペクトしながら、終始ジャズのしっとりとした素敵な雰囲気を聴かせてくれます。
大学時代はニューヨークで過ごした彼にとっても思いを馳せる気持ちは強いはず。
ロックの曲を数多く演奏していて、その感性で表現する彼のピアノはやはり愛があるのだと思います。マジでたまらん。
おわりに
お気に入りの演奏はあったでしょうか?
僕自身、このようなしっとりと叙情的でありながらも展開があって心を掴むような演奏を愛しています。
ちょっと疲れていたり、落ち込んでいたりした時に聴くと自分を取り戻させてくれる優しさに満ちているので、是非そんな時に一曲に。