
小曽根真さんがアレンジした「We're All Alone」が一番大好きな曲であり憧れの曲です。もうね自分にとっては全てが詰まってる。
ピアノを趣味で弾くようになってから出会った曲で、そこから小曽根さんのファンになりジャズにハマるキッカケにもなりました。
実際に自分でも弾いてみたこともあり、難しいィ〜!とヒイヒイ言いながらもめちゃくちゃ楽しくて拙いながらも人前で演奏までしてしまいまして。(そして今だに上手く弾けないのがまた憧れが増す要因でもあり)
思い入れもたっぷりで、「この曲(アレンジ)との出会いと憧れの曲になるまで」、「実際にピアノで弾いてみた」などの話を書いてみたい!シェアしたい!この曲が好きな人と分かち合いたい!という気持ちで書いてみました。
思い出すだけでも胸が熱くなる体験だったりしますし。
自分が知る限りのちょっとした小話や、楽譜に関しても途中に情報として差し込んでますのでよろしければ。
少し長めですがお付き合い頂けると嬉しいです。
Contents
小曽根真さんの「We're All Alone」が一番の憧れの曲になった話
そもそものこの曲とアレンジについての概要
ちょいとこの曲と小曽根さんのアレンジに関しての概要を。
この曲は元々、アメリカのシンガー・Bozz Scaggs(ボズ・スキャッグス)の書いた歌で、1976年にリリース。燦然と輝く洋楽の名曲の中の一曲かと思います。
女性シンガーのRita Coolidge(リタ・クーリッジ)のカバーなんかも有名だったりしますね。
小曽根真さんのアレンジは、ピアノ・ソロが2000年発売の「WIZARD OF OZONE〜ベストセレクション〜」に、トリオバージョンが「So Many Colors」に収録されています。(このトリオバージョンもとんでもなく好き)
そして小曽根さんがパーソナリティを務めていた「Oz Meets Jazz」のスポンサーであったアサヒ黒生のCMで使用されたのが有名かと。
自分はリアルタイムでは見れていなくて、出回っている動画で少し見たり...に留まってしまうのですが。笑
トリオバージョンは見れたのですが、ピアノ・ソロは今だ見れず。(使われていたらしい、で自分の情報は止まってます)
一旦タイムスリップさせてもらえませんか。(そこまでして見たいんか笑)
実は2000年の情熱大陸で小曽根さんが出演している際に、ちょうどこの「We're All Alone」のピアノソロをレコーディングしている場面がありました。
エンジニアの人が「原曲を超えるようなアレンジは中々無い」という事を言っていたので、やはりホントに素晴らしいアレンジになったんだと思います。
小曽根さんはこの曲の思い出として、昔ディスコに通っていた時にチークタイムでよく流れていたと語っていますが、とにかく素敵。素敵過ぎるんですよ。
昔、小曽根さんがパーソナリティを務めていた「Oz Meets Jazz」のスポンサーであったアサヒの黒生のCMで使われていましたが、ピアノ・ソロだけじゃなくトリオでの演奏も超素敵です。
▲「We're All Alone」のソロが収録されているアルバム「wizard of ozone」とアサヒ黒生を並べて撮ってみました。
この曲(アレンジ)との出会いと憧れの曲になるまで
出会いは、偶然買っていた2018年発売の「月刊Pianoプレミアム 極上のピアノ The BEST」に楽譜が載っていたこと。
買った当時はそこまでジャズにハマっていたわけじゃなくて、それでもこのことが頭の片隅には残っていました。
それでYouTubeで弾いている方の動画を見たりして、おしゃれな曲で割とスローバラードな所もあるし弾けるんじゃね?と思い練習を少しして他の曲に目移りして一旦終了。笑
そう、電気が走ったような一目惚れならぬ一聴惚れではなかったんですよね。
この軽い気持ちで弾けるんじゃね?の所とか今思えば舐めてるとしか思えませんし。笑
コロナ禍になってアニメをよく見るようになり、ジャズやクラシックのアニメももちろん視聴。
そこでどんどんジャズやクラシックにハマっていって聴くのもジャズやクラシック(特にピアノソロ)ばかりになるという有様。
小曽根さんの弾く「We're All Alone」も聴こえ方が変わってくるわけです。
自分自身が繰り返し聴けたのはやはり元が洋楽でメロディーが非常に分かりやすくて美しい所かと。
元々ポップスを聴いてきた人間なのでメロディーはホントに大事で。
ジャズへの扉が開かれてからは、この曲...良くね?となり聴いていく内にジャじーなバラード、メロディー、グッとくる展開など自分の好きが詰まってる!となり、この曲は最高だ!と聴いていく内に大好きになっていきました。
スルメの様な感じですが、ホントそんな感じでしたね。
最初ももちろん良い曲だなぁ、おしゃれだなぁとは思っていましたが、中身を知ってもうこれは心を掴まれてしまった...と恋愛では一番良いパターン。え?笑
色んなものが自分にぶっ刺さっていきました。ハマった後はなんか自分への響き方が、刺さり方が変わりましたね。
出だしの煌びやかな分散和音から、しっとりとした序盤から徐々にお洒落で味わい深いフレーズが加わって盛り上がっていき、人生山あり谷ありだけど、楽しもうぜ!みたいにグングン来る大サビに突入。このノリとたまらないコードの響きが織りなす歌心に痺れましたね。
音楽って素敵だなぁと、ホントにそう思わせてくれた曲です。心から感動して、心掴まれてしまったという感じです。
今でも、いや〜なんでこんなアレンジが生まれるのだろう?凄すぎだろって聞くたびに思ってます。
楽譜がいくつか存在!どれを使うか問題
小曽根さんのアレンジに関しては、
- 月刊Pianoプレミアム 極上のピアノ The BEST
- 情熱大陸~葉加瀬太郎セレクション(ピアノ・ソロ/中級)
- 藤川譜面SHOPの楽譜
この3つの楽譜を知っていて、月刊ピアノに関しては既に持っていて、「情熱大陸〜...」の楽譜はYouTubeで良く見させてもらっていた後藤文俊さんが概要欄に記載していたもの(ですが絶版で手に入りそうにもなく諦める)で、藤川譜面SHOPさんの楽譜に関してはひょんなことから知りました。(後述)
最初は月刊ピアノの楽譜を使うつもりでいたので選ぶも何もなかったのですが、練習をし始めて、ん?ちょっと音違うかな?と感じ始めてしまい他の楽譜も見てみたくなったんですね。
いや、まあこのまま弾いても素敵な曲に違いはないのですが、小曽根さんのアレンジに少しでも寄せたい気持ちが強くて。笑
「情熱大陸...」の楽譜はそもそも手に入らなかったので見れず。
そして藤川譜面SHOPさんの楽譜。
ここは採譜を請け負っている藤川さんが、採譜をした楽譜を一般向けに販売しているショップです。
このショップを知ったのは「Toe Knee」さんという方のチャンネルから。
小曽根さんの曲やアレンジを弾いていたのでちょくちょく見させてもらっていたのですが、楽譜は何を使ってるんだろう?と概要欄やコメント欄をしっかり見させてもらって。笑
そしたらコメント欄に、ここで買った、とURLが載っていて飛んでみたらこのショップだったんです。
これはキタ...と歓喜したのを覚えています。「We're All Alone」以外にも4曲小曽根さんの楽譜がありましたからね。鼻息荒く喜んでいたと思う。笑
その中に「She」の楽譜があって、これはですね、持っていたんですよ。でもこの藤川譜面SHOPの楽譜だと知らずに。笑
ここを知る前に小曽根さんの楽譜ないかなぁと調べていた時に、海外の「eBay」というサイトでこの「She」の楽譜を見つけてちょっと高値で買っていて、ここの楽譜だったのか!と色んなものが巡り巡って辿り着いた感じがありましたね。
藤川譜面SHOPさんの楽譜を手に入れて、弾いてみていい感じだったのでこの楽譜を使うことに決めました。
とはいえ細かい所の音を少し変えて弾いたりはしてます。自分こだわりすぎか。笑
採譜者で結構変わってくるものだなぁと改めて実感したりもしましたね。
実際にピアノで弾いてみた!からの人前で弾いてみた
そしてピアノで実際に弾いてみた!
とその前に、小曽根さんの曲でこの曲をいきなりやるのはキツイかも...ということで、
Reborn→Asian Dream→She→We're All Aloneの順で取り組みました。
最初で言ってしまうと譜読みが完了して通してある程度弾ける様になるまで半年掛かりました。苦笑
▲半年経ってなんとか弾き通せるようになった時に撮った動画
やはりかなり難しかった...。
それでも、大好きな曲だったからか挫折して途中で辞めるという事は無かったんですよね。
憧れの曲のエネルギーというのはやはりホントに凄い。
練習に関しては、最初の方は割としっとりしているので後半からすると相対的には弾きやすかったです。
それでも最初は「掴み」の部分ですし、あ〜素敵...と思ってもらえるように弾くのは大変でしたね。
早い段階で左手10度が出てきてちょっと力入るし、10度の3和音(重音)なんかはバラして弾かないといけないものもあってそれに必死になって左手が結構鳴ってしまうということになってました。
ちょっとずつ盛り上がりを見せて、音も増えてちょうど半分あたりでトリルからの速弾きフレーズなど出てきてかなり弾き込みましたね。
ここ以降は結構テクニカルになっていって、重音で装飾っぽく弾くとか、クロマチック的な爆速フレーズとか手こずりましたねぇ。
それでちゃんとメロディーを奏でていかないといけませんから。もう弾くだけで必死。笑
一旦チルな箇所を挟んで一番盛り上がるサビへ突入。
ここの一番の障壁は感情の高ぶりでしたね。
もうサビへ向かう時のワクワク感が尋常じゃなくて、感情を抑えつつどれだけ冷静にここを突破していくか。
盛り上がっていく過程で10度も出てきますし、多彩な重音とリズムを崩さないように頑張りましたね。
ここはホントに弾いてて気持ちが良い!最高です。
最後のフィナーレに向かっていくところはしっとりと弾いていって終わります。
ここに到達するまで、音の多彩さで覚えるのにも時間が掛かり、技術的に中々クリアにできない難しい箇所があったりで時間かかりましたね。
演奏時間も7分を超えるのでそこの負荷もまたあると思います。
もうねニュアンスや装飾の入れ方だったり、圧倒的な技術からくる演奏の余裕だったりが全然違う!と改めて思わされました。
でもそうゆう難しさがまたこの曲に惹かれ続ける部分でもあったりします。
この曲を練習し始めた時に、人前の本番をセッティングしよう!と思い、合計で3回予定を立てました。
最初はピティナ・ステップに参加!
▲鹿児島の姶良市加治木町「加音ホール」での本番動画
半年掛けて、本番があるというバフも利用しましたが、やはり本番は上手くいくものではありません。
ましてこの難しい曲!笑
会場は鹿児島の加治木にある「加音ホール」という会場。ここでは以前にも参加したことがあるのですが、台風の関係で小ホールから大ホールに変更されたという経緯もあり、とにかく響いてる!という感覚がありました。
最初のキラリン!と響くアルペジオからしっとり始まる味わい深いメロディーの段階で、
音が多彩すぎて全部鳴るじゃん!どうしよう!
と弾いてて感じました。笑
スタインウェイなのもありましたが、すんごい歌ってましたね。
思ってる以上に右手と左手のバランスを考えねばと爆速で感じました。
そこからはミスもあり、ちょっとつっかえてしまったりなどはあって納得できない部分も大いにあったのですが、トリルからの速弾きフレーズが思っていたよりは弾けたことや弾き通せた事は素直に自分を褒めましたね。
次は3ヶ月ほど経って、加世田のいにしへピアノフェスタで本番。
この本番に関しては、12月に入って仕事も忙しくなり...という言い訳をしておきましょう。苦笑
結構ミスなどもひどくて、動画も撮っていたのですがYouTubeに上げるのも辞めて...という感じでした。
このイベントはスタッフさんの雰囲気なども良くて好きなんですが、演奏が不甲斐なくて申し訳なかったなと。
そして翌月の1月に宮崎の宮崎県立芸術劇場「アイザックスターンホール」での本番。
▲宮崎の宮崎県立芸術劇場「アイザックスターンホール」での本番動画
ここは以前、小曽根さんのソロコンサートで客として行ったことがあるホールで、同じ場所で弾けるのか!と申し込んだピティナのステップ。
そういう経緯もあり、そして憧れの曲をこの豪華絢爛で素晴らしいホールで弾けるということで気合が入ってました。
先月の不甲斐ない本番もありましたし...。
入場して広いホールの雰囲気を味わい弾き始めたのですが、ものすごく音が広がっていく。
音の良いホールと言われてますが、これは弾いてる人にとっても言えるのだなと実感しました。
出来栄えとしては一番最初の加治木のピティナと似たような感じかなと。
練習してきたつもりでしたが、やはり納得できる演奏にはほど遠く。
でもこの舞台に向けて練習して本番を経てみて、もちろんもう少し弾ければって思うところもありましたが、今の自分ではこれが精一杯だった、とも思えてある意味清々しさもありました。
そういう意味で達成感もあり、でも悔しさもしっかりありで素晴らしい機会になった本番でした。
この3回、よく駆け抜けたなと振り返ってみて思います。
上手く弾けなかったけど、今後のエネルギーに間違いなくなりましたし、この思い出が今後支えてくれる場面も出てくるだろうなと。
そうそう、実はこの3回とも全部トリだったんですよ。笑
そのうち2回は最後の人が当日不参加になってだったり。それもまた面白かったなと。
この3回の本番前に上げたYouTube動画のコメント欄に思いの外この曲が好き、いつか弾きたいとコメントをもらいまして、多くの人が自分と同じようにこの曲を愛しているのだなと思い嬉しく思いました。
この様にYouTubeやSNSでもこの曲が繋がりで仲良くなった方もいて、これからもこの曲が好きなことは大いに公言していきたいと思っています。
おわりに
小曽根真さんがアレンジした「We're All Alone」について、曲との出会いや実際にピアノで弾いてみたことなどを書いてみました。
無茶苦茶長くなってしまったw
この曲を紹介したい!共有したい!気持ちが強すぎて。笑
偶然のキッカケで出会って、ピアノで弾いたりしてホントに思い入れが強く、大好きで憧れの曲です。
一番好きな曲を全ジャンル含めて1曲挙げてくださいと言われたらこの曲を挙げます。
自分としてはこういう曲を見つけられてホント幸せだと思ってます。
今だに上手く弾けねぇと思いながら試行錯誤してますが、一生弾いていくと思うので道中楽しみながら極めていけたらと思います。
読んでくださってありがとうございました!