「ジョジョの奇妙な冒険」といえば「洋楽」のネタがふんだんに使われているので有名ですが、「ジャズ」もそこまで多くはありませんが使用されています。
有名な曲・ミュージシャンが抑えられているので純粋に音楽を聴くだけでも楽しめます。
ジョジョがジャズの入り口となれば幸いです。
Contents
- 1 3部のエンディング曲であるパット・メセニーの「Last Train Home」
- 2 元ネタになったジャズの曲・ミュージシャン
- 2.1 東方つるぎのスタンド「ペーパー・ムーン・キング」
- 2.2 東方常秀のスタンド「ナット・キング・コール」
- 2.3 木の落ち葉に宿っているスタンド「オータム・リーブス」
- 2.4 7部のラスボス「ファニー・ヴァレンタイン大統領」
- 2.5 ヘイ・ヤーのスタンドを持つ「ポコロコ」
- 2.6 砂男(サンドマン)のスタンド「イン・ア・サイレント・ウェイ」
- 2.7 州立グリーンドルフィンストリート刑務所
- 2.8 「ウェザーリポート」とそのスタンド「ヘビーウェザー」
- 2.9 5部のラスボス、ディアボロのスタンド「キングクリムゾン」
- 2.10 ジョンガリAのスタンド「マンハッタン・トランスファー」
- 2.11 空条承太郎の父「空条貞夫」
- 2.12 「ケニーG」とそのスタンド「ティナーサックス」
- 2.13 黒騎士ブラフォード
- 2.14 ネアポリス王国のテロリスト「オコエモバ」
- 2.15 名前だけ登場する漁師「ダン・ハマー」
- 3 おわりに
3部のエンディング曲であるパット・メセニーの「Last Train Home」
3部「スターダストクルセイダーズ」エジプト編のエンディング曲であるPat Metheny Group(パット・メセニー・グループ)の「Last Train Home」。
元ネタという訳ではありませんが、ジャズに関連するトピックとしては外せないかと。
エンディングの、メッセージが隠されたアニメーションと旅を想起させる哀愁漂う曲調が泣けてくると誰もが思う非常に"エモい"名曲です。
この曲はパット・メセニー・グループが1987年にリリースした「Still Life(Talking)」に収録されています。
なぜこの曲が使用されたのか?というのは、「スターダストクルセイダーズ」が連載されていたのが1989年〜1992年なので、時期もかなり近くて恐らくこの時に荒木先生も聴いていたのだと思います。
荒木先生は非常に洋楽好きとして知られていますが、生涯のべストアルバムの中の一つに「ビヨンド・ザ・ミズーリ・スカイ(チャーリー・ヘイデン&パット・メセニー)を挙げていますので、パット・メセニーの楽曲の起用は非常に嬉しかったんじゃないでしょうか。
パット・メセニーは個人、グループ合わせてグラミー賞を20回も受賞しているジャズ・フュージョン界隈では知らない人はいない超有名なアーティストで、熱心な愛好家もいる印象です。
この偉大なアーティストの音楽が非常に良い形で「ジョジョの奇妙な冒険」と結びついてきたのはホントに素晴らしいことだと思っていて、新たなジャズの間口として開かれたような気がします。
パット・メセニーの独創的な作品と哀愁漂うギターの音色に酔いしれましょう!
元ネタになったジャズの曲・ミュージシャン
東方つるぎのスタンド「ペーパー・ムーン・キング」
8部に登場する東方つるぎのスタンド「ペーパー・ムーン・キング」の元ネタはナット・キング・コールなどの歌唱で有名な楽曲「It's Only a Paper Moon(イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン)。
作曲はハロルド・アーレン、作詞はエドガー・イップ・ハーバーグとビリー・ロウズ。
演劇や映画などでの起用を経て、エラ・フィッツジェラルドやナット・キング・コールの録音が名曲としての地位を確かなものにして、ジャズのスタンダードナンバーとして親しまれるようになりました。
東方常秀のスタンド「ナット・キング・コール」
8部に登場する東方常秀のスタンド「ナット・キング・コール」の元ネタはアメリカのジャズピアニストで歌手の「ナット・キング・コール」。
ジャズピアニストとして傑出した腕を持ちながらも、その歌唱力を買われて歌手としても活動。ポピュラー音楽にも進出して幅広く知られる存在になりました。
世に知られる名曲のほとんどは歌曲。レイ・チャールズやマーヴィン・ゲイなどの後のレジェンドにも影響を与えています。
名曲としては「モナリザ」「When I Falling Love」など。
木の落ち葉に宿っているスタンド「オータム・リーブス」
8部の誰のスタンドでもない、木の落ち葉に宿っているスタンド「オータム・リーブス」の元ネタは超有名なジャズスタンダードの「Autumn Leaves」から。
元々はフランスのシャンソンで、1945年にジョゼフ・コズマが作曲、後にジャック・プレヴェールが歌詞を付けた曲。
あまりにも有名で、この曲を演奏してないジャズミュージシャンはいない(はず)くらい。
7部のラスボス「ファニー・ヴァレンタイン大統領」
7部のラスボスである「ファニー・ヴァレンタイン大統領」の元ネタはジャズスタンダード曲の「My Funny Valentine」。
1937年にリチャード・ロジャースが作曲、ロレンツ・ハートが作詞して、ミュージカル「ベイブス・イン・アームス」で発表された曲。
フランク・シナトラの歌唱、マイルス・デイヴィスの演奏などで有名です。
ヘイ・ヤーのスタンドを持つ「ポコロコ」
7部で黒人の青年の「ポコロコ」の元ネタはジャズピアニストであるバド・パウエルの「ウン・ポコ・ローコ」。
バド・パウエルはビバップスタイルの第1人者。
この曲は「The Amazing Bud Powell」というアルバムに3曲入っているのですが、その3連発が有名です。
砂男(サンドマン)のスタンド「イン・ア・サイレント・ウェイ」
7部に登場する砂男(サンドマン)のスタンド「イン・ア・サイレント・ウェイ」の元ネタはマイルス・デイヴィスのアルバム「In A Silent Way」。
マイルス・デイヴィスは「モダン・ジャズの帝王」と呼ばれるジャズにおいて最も有名なミュージシャンの一人で、この元ネタとなったアルバムは1969年に発表されて、フュージョンの先駆けとなった作品で名盤。
彼の最高傑作として名高いアルバムは「Kind Of Blue」。
州立グリーンドルフィンストリート刑務所
6部に登場する「州立グリーンドルフィンストリート刑務所」の元ネタはジャズスタンダードの「On Green Dolphin Street」。
1947年にブロニスラウ・ケイパーが作曲、ネッド・ワシントンが作詞したポピュラーソング。この曲は小説を基にした映画「大地は怒る(グリーン・ドルフィン・ストリート)」のために作られたもの。
マイルス・デイヴィスに録音されてスタンダード曲として定着しました。超名盤「Kind Of Blue」に収録されています。
「ウェザーリポート」とそのスタンド「ヘビーウェザー」
6部に登場する「ウェザー・リポート」とそのスタンド「ヘビー・ウェザー」の元ネタはジャズ・フュージョンバンドの「Weather Report」と同グループのアルバム「Heavy Weather」。
このバンドは1970年にジョー・ザヴィヌルとウェイン・ショーターが中心となって結成された。ベーシストのジャコ・パストリアスやドラマーのピーター・アースキンらが加入してから最盛期を迎えた。
アルバム「Heavy Weather」は1977年に発表されて、このバンドの最大のヒット作品であり最高傑作との呼び声もある。
5部のラスボス、ディアボロのスタンド「キングクリムゾン」
5部のラスボスであるディアボロのスタンド「キングクリムゾン」の元ネタはプログレッシブロック・バンドの「King Crimson」。
このバンドは1968年に結成されてメンバーチェンジ、スタイルを変えながら現在まで活動しています。
ロックバンドでありながらジャズの要素もふんだんに使用している、元ネタとしても登場するビルフルーフォードも在籍していたことから加えてみました。
ジョンガリAのスタンド「マンハッタン・トランスファー」
6部に登場するジョンガリ・Aのスタンド「マンハッタン・トランスファー」の元ネタはアメリカのジャズ・コーラス・グループの「The Manhattan Transfer」。
1969年に結成され、一時1971年に解散。1973年に再結成してデビュー。実力派でありながら親しみやすいポップスも両立しているグループ。
1981年に同じ6部で元ネタとしても登場する「ウェザー・リポート」の「バードランド」をカバーしてグラミー賞を受賞。共演も行なっている。
空条承太郎の父「空条貞夫」
3部の主人公、空条承太郎の父「空条貞夫」の元ネタは日本のサックス奏者である「渡辺貞夫」。
「ナベサダ」の愛称で知られる日本のレジェンドサックスプレイヤー。
ジャズピアニスト・穐吉敏子さんと同世代で、同じくバークリー音楽院に入学。ボサノヴァやアフリカ音楽などのワールドミュージックをいち早く自分の音楽に吸収して披露してきた第1人者。
「ケニーG」とそのスタンド「ティナーサックス」
3部に登場する「ケニーG」とそのスタンド「ティナーサックス」の元ネタはアメリカのサックス奏者「Kenny G」とそのまま楽器の名前である「テナーサックス」。
スムーズジャズの第1人者。スムーズジャズはフュージョンがルーツで、聴きやすいイージーリスニング的なジャンル。
非常に有名な人物ですが、彼の音楽には賛否両論あって「ジャズに非ず」と批判されることもある。ですが彼の音楽に憧れているファンも多いのも事実で、そういう意味でも規格外のアーティスト。
黒騎士ブラフォード
1部に登場する黒騎士ブラフォードの元ネタはドラマーの「ビル・ブルーフォード」。
ビル・ブルーフォードはイングランド出身のドラマーで、ジョジョの元ネタ、エンディングに使用されている「イエス」、「キングクリムゾン」そして「ジェネシス」というプログレの3大バンドに所属していました。
そのスタイルはジャズ志向で、その中でロックバンドに貢献しています。
ネアポリス王国のテロリスト「オコエモバ」
7部に登場するネアポリス王国のテロリスト「オコエモバ」の元ネタはラテン音楽ミュージシャン、ティト・プエンテの曲「Oye Como Va」(邦題は「僕のリズムを聞いとくれ」)。
この曲は1962年に発表された「El Rey Bravo」に収録されていて、1970年にサンタナにカバーされて世界的に有名になりました。
名前だけ登場する漁師「ダン・ハマー」
1部に名前だけ登場する漁師ダン・ハマーの元ネタはジャズ・ピアニスト・キーボーディストの「ヤン・ハマー」。
チェコスロバキア出身で、かつてはジョン・マクラフリンが結成したジャズ・フュージョンバンド「マハヴィシュヌ・オーケストラ」に在籍していました。
同じく名前だけ登場する農夫ジェフ・バックの元ネタであるジェフ・ベックとは共同制作者同士で一緒にツアーも回っていて、ジョジョ本編でもセットで語られる所が面白いですね。
おわりに
ジョジョの奇妙な冒険に登場するジャズの元ネタとなった曲・ミュージシャンをまとめてみました。
こうやって見てみると、ゴリゴリのジャズもありますが、それだけじゃなくフュージョン寄りの作品、アーティストも多いなと。
その辺は荒木先生の創作意欲をそそるということなのかもしれませんね。
非常にかっこいい曲・ミュージシャンばかりなのでぜひ実際に聞いてみてください!
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