2021年12月26日に、見事ショパンコンクール第2位に輝いた反田恭平さんの「凱旋コンサート」熊本公演に行ってきました。
熾烈なチケット争奪戦を勝ち抜いた時は、そりゃあもうホッとしたものです。笑
ショパンコンクール後の一番熱い時に行けたのはホントに素晴らしい体験で、観客の皆さんも期待を持って聴きに来ていたのが分かりましたし、何より皆さんの熱気が伝わってきました。
今までにそんなにクラシックのコンサートに行ったことがある訳ではないのですが、その期待と熱気のおかげか、凄くいい意味でクラシックのコンサートっぽくない雰囲気を味わえたのかなと思っています。
そんな念願の反田恭平「凱旋コンサート」熊本公演の当日の雰囲気や感想を書いてみたいと思います。
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Contents
曲目
●オールショパンプログラム
- ワルツ第4番
- マズルカ風ロンド
- バラード第2番
- アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ
- 3つのマズルカ(第33番、第34番、第35番)
- ピアノ・ソナタ第2番 全楽章
●アンコール
- ノクターン第17番
- スケルツォ第2番
- エチュード10-8
- エチュード10-1
- 献呈(シューマン=リスト)
反田恭平「凱旋コンサート」熊本公演の感想
この日は雪が心配で、車で前乗りしようか、でも雪降るとな...とか色々考えましたが、新幹線は雪に強い!ということを信じて寝たら、当日無事に新幹線で熊本に行くことが出来ました。笑
チケットが売り切れているのはもちろん分かっていましたが、皆さんの熱量が伝わってくるのか、なんか人多くないか?と錯覚するくらい、なんかこう、みんな興奮してるように見えました。
始まる前はソワソワしてましたね。あのずっとショパンコンクール中追いかけていた反田恭平を観れる。そんな期待と興奮が渦巻いていました。
コンサートが始まり、反田恭平登場。
うおー生の反田恭平だ!って思いましたもんね。(ファン精神ダダ漏れ。笑)観客の皆さんの拍手からも熱が伝わります。
「ワルツ」から始まり「マズルカ風ロンド」と、あぁ〜ショパンコンクールで聞いたなぁという嬉しさと感慨深さを早くも感じます。笑
そして「バラード第2番」。この曲を予備予選で聴いて、反田恭平ヤベェ!!って思いましたからね。凄く楽しみにしていました。配信で聞くのとはまた違って、生の演奏は幾分まろやかに聞こえましたが、音の広がりが心地よく響いて、そして何より上手い。当たり前だけど、え?こんなにうまく弾けるもんなの?ってもう興奮していました。
バラード4曲の中でバラード第2番だけちょっと苦手だったんですけど、その意識をガラッと変えてくれたのが反田さんの演奏でした。バラード4曲全部弾いてみたい!!(死ぬまでにはw)
「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」も楽しみにしていた曲の一つ。長い曲ですが反田さんは「戦場のピアニスト」でこの曲に憧れを持ったらしくて、そんな個人的な思いも乗せられている一曲。そして何より最後のなんとも言葉では表せない幸福感というか、大団円を迎えるような終わり方が気持ちよくて。
ショパンコンクールでも弾き終わった時は幸せそうだったもんなぁ。ピアノ協奏曲第1番と同じような気持ちにさせてくれる終わり方で素晴らしかったですね。
休憩を挟んでからは「マズルカ」が来て、「ピアノソナタ第2番」、「ラルゴ」、「英雄ポロネーズ」の並び。
ソナタ2番の3楽章は、もう天に召されてしまうんじゃないかという感じで聴き入ってましたが、このソナタの後並びはショパンコンクールそのまま。ラルゴを中心に最後の音、最初の音が一緒で繋がっている、まさに編み込まれている楽曲群でこのコンサートでもそれは崩さずの順番。
そしてやっぱり「ラルゴ」は印象深い曲です。短い曲ですが、コラール的な感じの優しいメロディーの中にも荘厳さがあって。自分も弾いてみたい!と思って早速弾いてみた曲でもありますからね。やっぱり本人の演奏は上手すぎです。この演奏を耳に焼き付けて、また練習したいと思ってます。
最後の「英雄ポロネーズ」はもうね、流石。曲の入りは意外にも結構柔らかく入って、「反田恭平の英雄ポロネーズ」を聴かせてもらえました。威風堂々な曲ですが、流れるように力強くも繊細に、カッコよかったなぁ。このレベルの人たちは余裕で弾くのかもしれないけど、にしてもこんなに簡単に、そして聴かせる演奏をできるものなのかと感動してました。
アンコールはなんと5曲!サービス精神半端ない!みんなの拍手とスタンディングオベーションが凄くて5曲目が終わるとピアノの蓋を閉めて「もう終わり!」という意味でおしまいになりました。笑
まあ、そりゃあみんなたくさん聴きたいよね。笑
どれも素晴らしかったのですが、「ノクターン第17番」、「エチュード10-1」、「献呈」が特に印象的でした。
「ノクターン第17番」は、自分がノクターン大好きなのもあるんですが、このちょっとラブリーな感じのメロディー(自分にはそう聞こえる。笑)と哀愁がたまらなくて、反田さんの演奏には浸ってましたねぇ。
「エチュード10-1」はピアノの森!!この曲を弾き始めた時にみんな「おぉ〜!!」って歓声あげてましたから。もはやポップスのコンサートみたい。笑)みんなこの曲を待ってたんだと思います。ショパンコンクールの活躍だけじゃなくて、こうやってアニメの影響力も味方につけている反田恭平、恐るべしって感じでしたね。
小林愛実さんとの同時入賞もまた「"リアル"ピアノの森」とも言うべき快挙でしたから尚更。
「献呈」はショパンじゃないですが有名なアンコールピース。この曲を聴けるとなんか祝いの雰囲気というか、幸せな気持ちになれますよね。おそらくみんなこの曲も待ってたでしょ?って思いましたが。笑
個人的には「トロルドハウゲンの婚礼の日」を聴きたかったなと。いや、欲深いのは重々承知です。笑)ショパンコンクールの入賞者コンサートの配信を見ていて、この曲を最後に弾いた時、なんていい曲なんだ!!と思っていたので。
こりゃあまた絶対にコンサートに行って聴かなきゃいけませんね。
おわりに
反田恭平『凱旋コンサート』当日の感想を書いてみました。
もちろんですが、配信で聞くのとは全然違って、聞こえてくる音の広がりが凄く優しく繊細に聞こえてきましたね。そしてあの指の動き。鍵盤を這うように、というか撫でるように弾くあの弾き方がこの音色を作っているのかと。
この境地、目指したい。(無理だと思うけど無理だと思いたくない。反田恭平になりたい。笑)
聴きに来ている人たちの期待と熱気を超えてくる反田恭平、凄まじかったです。
最高のコンサートをありがとうございました。
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