
埼玉の越谷にある音楽カフェ(ジャズ喫茶)「Blossom(ブロッサム)」。
駅から少し歩いた場所に佇む一軒家で、最高の音響とこの店を営んでるご夫婦が温かく迎えてくれるお店です。
初めて訪れた時は自分一人だけで、美味しいコーヒーとケーキ、素晴らしいレコードと贅沢な時間を過ごさせてもらいました。
しかもジャズとクラシック両方聴けるという、どちらも大好きな自分としては俺得な体験でした。
この時のお店の雰囲気や聴いたレコードなどを書いてみたいと思います。
音楽カフェ(ジャズ喫茶)「Blossom(ブロッサム)」に行ってみた感想
8月2日、夏真っ盛りの暑い日でしたがジャズ喫茶巡りをしよう!と思い立ち、朝霞にある「海」と越谷の「ブロッサム」の二つをピックアップ。
まず朝霞の海へ向かったのですがまさかの休み...orz。笑
ですが初めての朝霞の街の雰囲気とこの日は「彩夏祭」が行われていて、スーパーやコンビニなども店の前で祭り飯を売っていたり、遠目に祭りのテントが見えたりと夏だなぁと思いつつ駅へ向かいます。
祭りも寄って行ってもよかったのですが、この暑さとジャズ喫茶モードが強くて(笑)越谷へ。
(この日は祭りが多い日でどこも人が多かった)
北越谷駅の東口からロータリーの先にまっすぐ伸びてる大通りを約10分ほど歩きます。
駅前の賑やかな雰囲気から、お店もまばらに住宅街の雰囲気を帯びてくる場所に建っている綺麗な一軒家。
お、ここだ!とお店の前で無事に着いた事とお店が開いていることに安堵しつつ、でもやっぱり初訪問のお店でジャズもそこまで詳しくないしなぁなんてどこか日和る気持ちが少しありながらも(苦笑)お店のドアを開けます。
いらっしゃいませ!と優しそうなマスター(と奥様が厨房から声で)が出迎えてくれてくれます。
店内は自分一人。
どこに座ろうかと思っていると、音を楽しむなら中央の席がいいですよ、と勧めてくださいましてお店の真ん中あたり、オーディオを真正面に見る席に座ります。
左隣にはグランドピアノが置いてあり、カバーが掛けられていてその上にはこのお店で開かれるコンサートのチラシやメニューのコピーなどが綺麗に並べられていました。
メニューも豊富で、今回はセットのメニューを注文。美味しい水炊きのコーヒーとチョコのケーキ。
こうゆう所で飲むコーヒーがいっちゃん美味いんだから。もうね絶品。
コーヒーは水からもう美味しいのが分かる(自分も少しは大人になったのだなぁと思いながらw)。
このセットメニューを堪能し終わり、まだそれでもどう過ごそうか?とどこかソワソワしてたのですが、マスターがリクエストを聞いてくれました。
リクエストしたのはラフマニノフ。
ラフマニノフお願いします!とだけ伝えたのですが、持ってきてくれたのがEarl Wildがソリストを務める「ピアノ協奏曲第2番」。
最高すぎる。いや〜もう最高の選曲で嬉しかったですね。
曲がかかり始めるとこれまた音が良いのなんの。レコードの味のあるレトロな録音がありつつもオケの楽器一つ一つ、ピアノの音もクリアに聞こえるような音質。
どうやらこのオーディオもさることながら、家の建築段階からこだわって作られているということで、そりゃあこの音響が生まれる訳です。
自分一人のため音も大きめに迫力のある演奏を楽しませてもらいました。
この曲は大好きで少し聴き比べもしていて(といっても知れてますが)、反田恭平、レイフ・オヴェ・アンスネス、クリスチャン・ツィメルマン、カティア・ブニアティ・シヴィリなど。
このワイルドの演奏は初めて聞いたのですが、さすがヴィルトゥオーゾという強靭な演奏というか結構テンポも速めで疾走感もあり、でも歌うところは歌うし全然口説くない。流石の演奏で素晴らしかった。
全楽章あっという間で聴き入ってましたね。これまた良い演奏を教えてもらいました。
次はCount Basieの「Count Basie And The Kansas City 7」。
こちらはマスターのおまかせチョイス。
楽しげな軽快なナンバーが揃っているアルバムで、ラフマニノフから雰囲気が少し変わりまさに「ジャズ喫茶」という雰囲気に。
自分は小曽根真さんが大好きで、他にロバート・グラスパーやビル・エヴァンス、オスカー・ピーターソン、チック・コリアなどは少し分かりますが、ジャズ・ジャイアント達もまだまだ勉強中。
このアルバムはベイシーのピアノだけじゃなくいくつかの楽器が登場しますが、色んな分野に興味を広げられるいいキッカケにもなるなぁと思いなが聴いていました。
ここで聴けたのも何かの縁。ここからまた広げていきたいなぁ。
カウント・ベイシーをいい感じにある程度聴いていった所に、モーツァルトはどうですか?とマスターが3枚目に持ってきてくれたのがフリードリヒ・グルダの弾くモーツァルトの「ピアノ・ソナタ第11番、第13番」。
レアなウィーンのレコードでピアノはベーゼンドルファーを使っているということを教えてくれました。
沢山のレコードそれぞれに思い入れやエピソードを持っているんだろうなぁ。こうゆう背景を聞いたり知ったりするのは凄く好きですね。
モーツァルトは有名曲程度、グルダは名前を知っている程度だったので申し訳ないですが、素晴らしい演奏を聞かせてもらいました。
モーツァルトの即興的な音楽がどこかジャズに通ずる部分があるようだし、後に調べてみるとグルダはジャズに傾倒していた時期もあり、そしてモーツァルトを最も敬愛していたとのこと。
なんかこのお店のジャズとクラシックの双方を分け隔てなく聴ける雰囲気や自分がどちらも好きという事に対して、アーティスト・プレイヤー含め絶妙にマッチしたものだったかと。
知ってしまったので、これからこの曲の真価、グルダやモーツァルトをもっとじっくり知っていきたいですね。
やはりどこで出会ったか、思い出があるか?って心への残り方が違うと思うんです。
ここで聞いた音楽は強烈に素晴らしい思い出として残るし、圧倒的に知るキッカケになるし、こんなに素敵な空間で、素晴らしい音で聴けたらそりゃあ好きになるってもんです。
レコードを入れ替える時や聞いている時に少しお話もしたりしていて、自分が大人になってピアノを始めてジャズやクラシックに興味を持ち始めたことや、レコードは全然聞かなくて...と言うとレコードプレイヤーを見せてくれたり。
他のお客さんで(おそらく常連の若い方?かな)ポップスのレコードを持ってきてそれをかけたりした話など。(柔軟に対応してくれるんだなぁ)
自分とマスターがカウンターの席でゆるりと音楽を楽しんでる空気感は、なんか絵になる空間というかそんな風にも勝手に感じまして。
ひたすらに素晴らしい音楽とアットホームな雰囲気が流れる素敵な空間・時間でした。
お会計を済ませて帰り際にマスターが奥様に、ピアノ始めたんだってよ、と話してくれ、ピアノ弾かれたらよかったのに、と言ってくださいましたが、いやいや自分なんて全然なんで、と会話を交わしたりもあり。
こうゆう時に図々しくも、ちょっとピアノ触らしてもらっても良いですか...と言えるくらいには練習したいなと思いました。笑
暑い中ありがとうございました!と笑顔で送ってくださり、あれここは実家なのかな?という温かさがありました。
いたれりつくせりで、ありがとうございました!
帰る道中、音楽に集中してしまっててコーヒーもう一杯くらい注文すればよかったなとか思いましたが、また来ればいいんです、その時に沢山コーヒーも飲もう。
夜道と祭りの喧騒もまた心地よく感じられる日だなぁとしみじみ。
(大宮の祭りを少しだけ見て帰りました。)
「Blossom(ブロッサム)」の基本情報
【住所】埼玉県越谷市東大沢5丁目15番3
【電話番号】048-954-9005
【営業時間】14時半〜20時半(19時半ラストオーダー)、定休日は火曜、水曜
おわりに
音楽カフェ「Blossom(ブロッサム)」に実際に行ってきた時のお店の雰囲気や聞いたレコードなどについて書いてみました。
ジャズにあまり詳しくないし...と足踏みする雰囲気は全然なく、ジャズもクラシックも聴けて非常にオープンな雰囲気で過ごすことができました。
音響も最高に良くて、美味しいコーヒーを味わえ、素敵なご夫婦が迎えてくれる温かいお店です。
度々訪れる事になるだろうなぁ。
最後まで読んで頂きありがとうございました!