映画「ノッティングヒルの恋人」で有名になったElvis Costello(エルヴィス・コステロ)が歌う「She」のジャズピアニスト・小曽根真さんVer.を弾いてみました。
曲の概要と個人的な思い入れ、演奏動画・練習過程・使用楽譜などをまとめてあります。
曲の概要と思い入れ
作曲はシャルル・アズナブールで原題は「忘れじのおもかげ」(1974年)。
エルヴィス・コステロが映画「ノッティング・ヒルの恋人」でカバーして有名になりました。
個人的な思い入れとしては、「小曽根真さんのアレンジ」に尽きます。笑
YouTubeの検索で「小曽根真」と入力すると関連キーワードで「She」と出てきていたのがキッカケです。なんかマニアックな話w
これで気にはなっていたけど、実際に聴いたのはもう少し時間が経ってからでしたね。(今思えばすぐ聴けよ!って言ってやりたい笑)
このアレンジがめちゃくちゃ素敵で、弾きたいと思って楽譜を探していつか弾こう!と思ってまた少しだけ時間が経過します。
そこから小曽根真さんに完全にハマることになるのですが、それからは聴くたびに、
あぁ〜お洒落な大人の音楽や、マジで最高...
となる訳です。笑
本当にアレンジが良すぎてたまらないんですよね。基本的にはかなりしっとりおとなし目のバラード調なんですが、サビで盛り上がっていくとこなんかもう、得も言われぬ幸福感があります。
小曽根さんの楽曲の中で僕の一番の憧れの曲は「We're All Alone」のアレンジなんですが、そこに向かう一環として、大好きな曲としてSheは弾かせて頂きました。
小曽根さんは何でこの曲をアレンジしたのかなぁなんて思うことがあるんですが、この曲を映画でカバーしたエルヴィス・コステロの奥さんが超有名なジャズボーカリストのダイアナ・クラールで小曽根さんのバークリー時代の同級生らしいのです。
その繋がりかな?とか勝手に推測してたりするんですが、多分、We're All Aloneのように小曽根さんにとっての思い出の曲の一つなのかもしれません。
使用楽譜と練習過程
使用楽譜は「藤川写譜」の中の「藤川譜面ショップ」という所に売っている楽譜を使用しました。(※現在、藤川譜面ショップはクローズしている状態でいつ再開されるのかは不明)
入手経緯は、実はこのショップからではなくて、「eBay」という海外の通販サイトから購入しました。
楽譜ないかなぁとしつこく調べていたらeBayで見つけたんですよね。おそらく転売でそれなりに割高で購入してしまいましたがw手に入れられたので全然OKでした。笑
練習しようと楽譜を見ると思ったより音が多い!というのが最初の印象です。
聴いてる感じより結構難易度が上がってる感じでしたね。
難しいと感じた部分は、
- 音の多彩さ、リズム、拍の難しさ
- 雰囲気を出すのが難しい
この曲を弾く前に小曽根真さんの「Asian Dream」を弾いていたのですが、そこからまた一段上がって音が多彩で単純な繰り返しが全然無い。
そしてお洒落なリズムが忍び込まされていて、タイで繋がれて左と右が絶妙に合わないようにずらして弾いたりとか、それゆえに拍が取りずらかったりとか、その辺をまざまざと経験することになりました。
そして一番は雰囲気を出すこと。
そのニュアンスは、やはり小曽根さん独特なのか、あのめちゃくちゃ素敵な雰囲気を出すのは超難しい。
フレーズのメリハリ、間、ルバート、フェルマータ、右左のバランス、鳴らす音と控える音、音の保持などなど。
あらゆるその素敵な雰囲気を構成する要素が半端ねぇんです。笑
これはいくらバラード調とはいえ大変ですね。これはずっと課題になる所かなと思います。
それでも雰囲気はさて置き、バラードだから何とか弾けるようになるものですね。
サビの盛り上がる所は、音が多いのもあるし、中々拍が合わないというか、ハマらないというかそんな状態が少し続きましたが何とか力技?で弾けてる感じには持っていけましたね。笑
とりあえず通しで弾けて、まあ聴けるかな?という演奏になるまで約3ヶ月くらいでした。
これは一応締め切り効果も含めって感じで、鹿児島の「こけけピアノフェスティバル」に参加するために練習を開始しました。
実はこの曲の練習の途中で別のイベントに参加することを決めて、ラフマニノフの「鐘」を練習し始めちゃって1ヶ月半くらい中断していたエピソードもあるのですが。
なので、完全に言い訳ですが、この時の本番はもうちょっと弾けたらなという思いがあったりします。
まあでも一応、動画に残して人前の本番も経験するところまで持っていけました。
演奏動画
これは「こけけピアノフェスティバル」本番数日前に撮ったものです。
雰囲気よく撮れてるのはいい感じ。でもやっぱり音が間延びしていたり、左手の音が大きかったりと反省も多いかなと。
「こけけピアノフェスティバル」本番の動画。
最初の和音はその響きの気持ち良さを感じられて、良いスタートを切れたのですが、序盤のひと段落したところで、いつもはミスしないところで暗譜が飛んでごまかして進みました。笑
後半は思ったより立て直せたかなとは思いますが、このミスが「あぁ〜なんか上手くいかなかったなぁ」という印象を強くした本番になりましたね。
おわりに
自分が実際に「She」(小曽根真Ver.)を弾いてみた体験談を書いてみました。
やはり小曽根さんご本人の演奏が凄すぎて、自分の演奏はまだまだ感がすごいの今後、納得できるまで頑張りたいと思います。